2007.10.07
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発表する→共有する

株式会社内田洋行 教育総合研究所 梅香家 絢子

先月の22日(土)から24日(月)の3日間にわたって行われた日本教育工学会(JSET)の全国大会@早稲田大学・所沢キャンパスに参加してきました。

先生や研究者の方が日本全国から集まっていて、それぞれの日々の実践活動や研究について実に色々なテーマで発表をしていました。中には授業での試行錯誤を報告するだけでなく、体系的に整理して“モデル”として発表する先生もいらっしゃって・・・
本当に勉強になります。
先生の“技”を盗める(もとい参考にできる)良い機会ですね。

その中で、「教育工学関連製品を企業の開発者自身が点検・評価・検証する」というセッションがありました。
その名の通り“企業の開発担当者がその視点から”学校の現場で使われている教材や機器の利活用について発表する場です。そして今回は私も担当製品(学校ホームページの作成・構築を支援するソフトウェアです)について発表させていただきました。
その内容は?というのは今回はさておきまして・・・

全部で6つの発表が終わった後に全体を通しての質疑応答の時間があったのですが、色々な意見の中に1つ、とても印象に残った言葉がありました。それはある先生の言った・・・「もっと企業の失敗談を知れたら面白かったですねぇ」の一言です。


* * *

普段から学校や教育委員会へおうかがいして製品やサービスのご紹介をしていますが、当然のことながらそこでは「こんなものを作りました」と“結果を発表する(紹介する)”ことがどちらかと言うと多いです。ただ一方で、その後ろ側では(先生方はもちろん!)企業としてもよりよい授業づくり・学校づくりのために日々試行錯誤を重ねてきています。

であればやはり、その“プロセスを共有する”ことが大事だ、ということなのですね。そんなことをこの一言から感じました。

もちろん、そういった共有はこれまでにもしてきているとも思っています。というのは、数ヶ月前まで商品企画の部署にいたのですが、商品を企画する時、開発する時、完成後実際に普及していく時など色々な場面において先生の意見は欠かせず、必然的に共有の場が作られることが多いからです。例えば、完成途中の製品を持っていき、先生の要望や課題を聞きつつ、企業としては技術面や費用面でそれが実現できるかという課題について試行錯誤しながら、少しずつ完成へとつながっていきます。

ただ一方で、このような“共有する”ということを、さらに、もう少し「意識的に」やっていけたら、ということを今回のこの一言を受けてあらためて感じることができました。
先月私が体験した発表の場もその1つのチャンスだったんですね。発表する、ことのみでなく、共有する、ということにもっと意識を向けられたら良かったなぁということを学ぶことができました。


* * *

10月から新メンバー(?)ということで参加させていただくことになりましたが、“共有する”という意味ではこのつれづれ日誌もまさにその1つの場なのですね。
実際にどこまで企業の視点から綴れるか、そしてそれを共有につなげていけるかは不安なところもありますが、きっと日々仕事を通して感じたことを書くことが自然とそれにつながるのだと思います。

他の執筆者の方の綴りやみなさんのコメントも読ませていただきつつ、色々なことを共有していけたらと思います。

どうぞよろしくお願い致します。



写真:JSET全国大会講演論文集。総数1012頁・・・

日本教育工学会(JSET)・全国大会のページ:
http://www.jset.gr.jp/convention/index.html
File1_s.jpg

梅香家 絢子(うめがえ あやこ)

株式会社内田洋行 教育総合研究所
「開かれた学校づくり」の言葉に惹かれてこの道に。今は仕事を通して、全国の教育現場で実践されている様々な取り組みに驚き、学ぶと同時に、“企業の立場からできること”も学びながら活動する日々です。

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