極端な例から書きます。
1年くらい前、テレビで小学生の茶髪についてレポートしていました。その中でインタビューを受けていた小学6年生の茶髪の女の子は
「みんな茶髪だよ、爪に色を付けてる子も多いし、べつに悪いことじゃないと思う。」
と答えていました。そこまでの小学校があるのかと思いましたが、この後の映像で、実際には学年に4、5人程度だとわかりました。
このインタビューを受けていた子が嘘をついていたとは思いません。おそらく、この子は、学校では少人数の茶髪の子たちのグループと一緒に行動していることが多いのでしょう。だから、この子にしてみれば、『みんな』というのは普段、自分が遊んでいる仲間をさしていて、その子たちの考えや価値観が当たりまえだと思っているわけです。もし、そのことを頭ごなしに注意したら、さらに頑なな態度をとることでしょう。
教師(特に小・中学校)というグループはどうでしょうか。確かに、いろいろな価値観や考え方の先生がいるように感じます。しかし、教師になるという目標のために、似たような勉強をしてきた人たちです。全く異なった世界の人々に比べれば、その考え方や価値観は、やはり、同じようなものになっているはずです。
ところが、子どもの保護者は、多種多様な仕事や生活の中で生きていて、その考え方や価値観は、それこそ千差万別です。ある人たちにしてみれば、教師の意見こそ『自分たちの常識と異なる納得できないこと』である場合もあります。その保護者に育てられた子どもも、同じような考えを持つようになるのは自然なことでしょう。実際、私が教師であったことを知らない人たちからは、オブラートに包まない強烈な教師批判が聞こえてきます。
よりよい教育活動を行うためには、保護者の理解が不可欠です。しかし、考え方や価値観の異なる保護者に、教師側の考えを理解し協力してもらうのは簡単なことではありません。とくに相手の意見を聞くことなく、一方的に教師側の意見を言うだけでは、最初の例の茶髪の子どもたちと同じように、素直に聞いてくれないのではないでしょうか。
保護者懇談会は、この教師と保護者の考え方や価値観のギャップを埋め、お互いを理解するための格好の場だと思うのです。教師側の考えをうまく伝えるためには、相手がどんな考えを持っているのかを知ることが大切です。場合によっては、自分の意見の間違いに気づかされることもあるかもしれません。そうでなくとも、相手がどう考えているかがわかれば、こちらの考えをわかってもらうためのベターな対処方法も選べます。それに、保護者にしても、とにかく意見を言ったことで、次にはこちら側の意見を聞く姿勢を持ってくれることも多いのです。私の経験では、自信のある先生、または自信のまったくない先生ほど保護者懇談会では自分からの話がほとんどで、保護者の意見を聞く場がないような気がします。
先生方、もっと保護者の意見を聞く場を増やしませんか。それは、結局、自分の人間としての幅を広げ、人間を一面だけでなく、多面的に見る目を育てることになると思います。またそれが、教育活動を円滑に行っていくことに繋がるはずです。その第一歩として、保護者懇談会を保護者の意見を聞く有効な場にしてみませんか。
1年くらい前、テレビで小学生の茶髪についてレポートしていました。その中でインタビューを受けていた小学6年生の茶髪の女の子は
「みんな茶髪だよ、爪に色を付けてる子も多いし、べつに悪いことじゃないと思う。」
と答えていました。そこまでの小学校があるのかと思いましたが、この後の映像で、実際には学年に4、5人程度だとわかりました。
このインタビューを受けていた子が嘘をついていたとは思いません。おそらく、この子は、学校では少人数の茶髪の子たちのグループと一緒に行動していることが多いのでしょう。だから、この子にしてみれば、『みんな』というのは普段、自分が遊んでいる仲間をさしていて、その子たちの考えや価値観が当たりまえだと思っているわけです。もし、そのことを頭ごなしに注意したら、さらに頑なな態度をとることでしょう。
教師(特に小・中学校)というグループはどうでしょうか。確かに、いろいろな価値観や考え方の先生がいるように感じます。しかし、教師になるという目標のために、似たような勉強をしてきた人たちです。全く異なった世界の人々に比べれば、その考え方や価値観は、やはり、同じようなものになっているはずです。
ところが、子どもの保護者は、多種多様な仕事や生活の中で生きていて、その考え方や価値観は、それこそ千差万別です。ある人たちにしてみれば、教師の意見こそ『自分たちの常識と異なる納得できないこと』である場合もあります。その保護者に育てられた子どもも、同じような考えを持つようになるのは自然なことでしょう。実際、私が教師であったことを知らない人たちからは、オブラートに包まない強烈な教師批判が聞こえてきます。
よりよい教育活動を行うためには、保護者の理解が不可欠です。しかし、考え方や価値観の異なる保護者に、教師側の考えを理解し協力してもらうのは簡単なことではありません。とくに相手の意見を聞くことなく、一方的に教師側の意見を言うだけでは、最初の例の茶髪の子どもたちと同じように、素直に聞いてくれないのではないでしょうか。
保護者懇談会は、この教師と保護者の考え方や価値観のギャップを埋め、お互いを理解するための格好の場だと思うのです。教師側の考えをうまく伝えるためには、相手がどんな考えを持っているのかを知ることが大切です。場合によっては、自分の意見の間違いに気づかされることもあるかもしれません。そうでなくとも、相手がどう考えているかがわかれば、こちらの考えをわかってもらうためのベターな対処方法も選べます。それに、保護者にしても、とにかく意見を言ったことで、次にはこちら側の意見を聞く姿勢を持ってくれることも多いのです。私の経験では、自信のある先生、または自信のまったくない先生ほど保護者懇談会では自分からの話がほとんどで、保護者の意見を聞く場がないような気がします。
先生方、もっと保護者の意見を聞く場を増やしませんか。それは、結局、自分の人間としての幅を広げ、人間を一面だけでなく、多面的に見る目を育てることになると思います。またそれが、教育活動を円滑に行っていくことに繋がるはずです。その第一歩として、保護者懇談会を保護者の意見を聞く有効な場にしてみませんか。
高柳 新(たかやなぎ はじめ)
欧風カレー専門店『アルパッシェ』オーナー
四半世紀の小学校教師経験と小学生卓球チーム指導者として全国大会の出場経験。そして現在は、学校を外から見ることのできる立場を生かし、現場の先生方を応援したいですね。
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