「20のとびら」というゲームを知っていますか?20の質問をして、質問者が考えている言葉(物)を当てるというクイズです。
小学校の先生が中心になって情報教育について考えるサークルが徳島にあります。私は高校の教員ですが、楽しみに参加するようにしています。このサークルで「20のとびら」が話題になっています。担当している学年の違いが良く出ていて話題も盛り上がります。何回かその話を聞いていて、私が担当している高校の情報の授業でしてみたらどうだろうかと考えて、実施してみました。
この夏休み明けの暑さは、とても授業に向いていないし、授業をリラックスして楽しめたらいいなと思い、授業のはじめにしようと考えたのです。
結果は、散々なスタートになりました。
生徒が質問して、その質問に「はい」「いいえ」と答えていくのです。わかりやすいようにと、質問はプロジェクターで投影して、次の質問を考えやすいようにしました。生徒にも記入プリントを配布して、自分の考えた質問を書き込めるようにしました。
「さあ、質問は?」と聞くと。しばらくして、数人が手を上げて質問しますが、他の生徒は硬い表情のままで参加していないようです。ほとんどの生徒が質問を考えて手を上げるということが出来ません。
「じゃ、当てていこうか?」と言って当てると、黙っています。しばらく待ってみますが、当たってから考えているようで、声が返ってきません。
「思いつかないなら、パスしてもいいよ」と言うと、
パス・パス・・・・とパスが続きます。
「パス」と言っている生徒の様子をみると、考えているという感じが伝わってきません。
初めての「20のとびら」は、なんとか、質問を繰り返して、答えまでたどり着きましたが、私には異様な疲れが残ってしまいました。時間もかかってしまい、肝心の授業内容をする時間が無くなってしまいました。
生徒に配ったプリントを集めてみると、ほとんど白紙のままです。自分で考えた質問が書かれていませんでした。説明が悪かったのかな? 高校生には馴染まないのかな? 仕掛けの問題かな? などと考えて、実施方法が悪いのかな? と、次の時間は、生徒二人を一組にして、出題側と回答側の役目を決めて実施させてみました。
生徒二人がペアになって実施すると、結構盛り上がった時間になりました。
生徒の間を回りながら様子を聞いていると、答えがわからなかったということが結構多くありました。しかし、中には何問質問したのかわからなくなっている生徒がいたり、自分の質問をメモすることが出来ていないので、先に何を質問したのかわからなくなっているのです。
相手の考えている言葉(内容)をいくつかの質問で絞り込んでいく。このゲームの面白さです。情報教育の課題としても、もう少し続けてみようと工夫しながら実施することにしました。
要領がわかってきた生徒も多くなりましたが、何回しても要領を得ない生徒もいます。
そこで、生徒が配られたプリントに記入できるよう、まず生徒自身の考えた質問を書く時間をしっかりとって様子を確認し、質問を考えることを中心に課題を設定しました。
また、出た質問を毎回きちんとプリントに書かせて、そのときに答えがわかったら、その答えをプリントに書き込むように指示しました。答えが予想できた生徒は、まだわかっていない生徒にヒントになるような質問を考えようと課題を追加しました。
結果は、それなりに楽しんで取組む生徒も増えて、授業全体で楽しみながら実施しているという雰囲気が出てきました。また、実施時間も20分程度で終わるようになって来ました。プリントも、記入されるようになりました。
でも、ヒントになるような質問が考えられないで、そのものずばり、「~ですか?」と質問してしまう生徒が、多くいるようです。20問まで質問が続かず、終わってしまいます。全体の雰囲気の中で回数を重ねるごとに変わってくる生徒がいる一方で、いつもプリントが白紙のままの生徒もいます。
小学校の授業では、色々なゲームが授業のはじめなどに取り入れられているようです。高校生の授業でも授業のはじめの「つかみ」をどう工夫するかは授業を考える大切なポイントですね。話し合いのはじめにアイスブレーキングなどの大切さが言われますが、私は授業のはじめの5~10分の工夫も、大切にしたいと思っています。遊びの中で色々な戦略(ストラテジー)が展開出来ます。この「工夫する面白さ」を感じて、“学び意欲”が高まることを期待しています。
小学校の先生が中心になって情報教育について考えるサークルが徳島にあります。私は高校の教員ですが、楽しみに参加するようにしています。このサークルで「20のとびら」が話題になっています。担当している学年の違いが良く出ていて話題も盛り上がります。何回かその話を聞いていて、私が担当している高校の情報の授業でしてみたらどうだろうかと考えて、実施してみました。
この夏休み明けの暑さは、とても授業に向いていないし、授業をリラックスして楽しめたらいいなと思い、授業のはじめにしようと考えたのです。
結果は、散々なスタートになりました。
生徒が質問して、その質問に「はい」「いいえ」と答えていくのです。わかりやすいようにと、質問はプロジェクターで投影して、次の質問を考えやすいようにしました。生徒にも記入プリントを配布して、自分の考えた質問を書き込めるようにしました。
「さあ、質問は?」と聞くと。しばらくして、数人が手を上げて質問しますが、他の生徒は硬い表情のままで参加していないようです。ほとんどの生徒が質問を考えて手を上げるということが出来ません。
「じゃ、当てていこうか?」と言って当てると、黙っています。しばらく待ってみますが、当たってから考えているようで、声が返ってきません。
「思いつかないなら、パスしてもいいよ」と言うと、
パス・パス・・・・とパスが続きます。
「パス」と言っている生徒の様子をみると、考えているという感じが伝わってきません。
初めての「20のとびら」は、なんとか、質問を繰り返して、答えまでたどり着きましたが、私には異様な疲れが残ってしまいました。時間もかかってしまい、肝心の授業内容をする時間が無くなってしまいました。
生徒に配ったプリントを集めてみると、ほとんど白紙のままです。自分で考えた質問が書かれていませんでした。説明が悪かったのかな? 高校生には馴染まないのかな? 仕掛けの問題かな? などと考えて、実施方法が悪いのかな? と、次の時間は、生徒二人を一組にして、出題側と回答側の役目を決めて実施させてみました。
生徒二人がペアになって実施すると、結構盛り上がった時間になりました。
生徒の間を回りながら様子を聞いていると、答えがわからなかったということが結構多くありました。しかし、中には何問質問したのかわからなくなっている生徒がいたり、自分の質問をメモすることが出来ていないので、先に何を質問したのかわからなくなっているのです。
相手の考えている言葉(内容)をいくつかの質問で絞り込んでいく。このゲームの面白さです。情報教育の課題としても、もう少し続けてみようと工夫しながら実施することにしました。
要領がわかってきた生徒も多くなりましたが、何回しても要領を得ない生徒もいます。
そこで、生徒が配られたプリントに記入できるよう、まず生徒自身の考えた質問を書く時間をしっかりとって様子を確認し、質問を考えることを中心に課題を設定しました。
また、出た質問を毎回きちんとプリントに書かせて、そのときに答えがわかったら、その答えをプリントに書き込むように指示しました。答えが予想できた生徒は、まだわかっていない生徒にヒントになるような質問を考えようと課題を追加しました。
結果は、それなりに楽しんで取組む生徒も増えて、授業全体で楽しみながら実施しているという雰囲気が出てきました。また、実施時間も20分程度で終わるようになって来ました。プリントも、記入されるようになりました。
でも、ヒントになるような質問が考えられないで、そのものずばり、「~ですか?」と質問してしまう生徒が、多くいるようです。20問まで質問が続かず、終わってしまいます。全体の雰囲気の中で回数を重ねるごとに変わってくる生徒がいる一方で、いつもプリントが白紙のままの生徒もいます。
小学校の授業では、色々なゲームが授業のはじめなどに取り入れられているようです。高校生の授業でも授業のはじめの「つかみ」をどう工夫するかは授業を考える大切なポイントですね。話し合いのはじめにアイスブレーキングなどの大切さが言われますが、私は授業のはじめの5~10分の工夫も、大切にしたいと思っています。遊びの中で色々な戦略(ストラテジー)が展開出来ます。この「工夫する面白さ」を感じて、“学び意欲”が高まることを期待しています。
中原 正治(なかはら まさはる)
徳島県立新野高等学校 教諭
50代は、タイピングコンクールでシニアの部に振り分けられました。情報化社会に生きるのは若い世代も高年齢の世代も年齢に関係ないですね。情報と理科を担当しています。
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