2007.09.24
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50歳を迎え思うこと 機嫌良く生きる

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 この7月で私も満50歳になった。

 私が教員になった四半世紀以上前とは学校や社会を取り巻く環境が大きく変わった。
テレビや新聞では、連日のように子どもが親を殺し、親が子どもを殺し、不登校や家庭内暴力やニートが激増したりといった恐ろしいニュースが報道されている。時にして教員をしていると、よく親御さんから、こんな時代だからこその親の心構えは、どうしたらよいのでしょうかと聞かれることがある。

 私はこんな時代もどんな時代も、親の心構えは基本的には同じだと思う。
 この年になってつくづく思うことは、人生でいちばん大切なことは、「機嫌が良い」ということにつきるのではないかと思う。
 仕事も財産も健康も恋愛も手段にすぎない。目標は幸福、すなわち機嫌が良いことで、どんなにお金持ちでも毎日不機嫌に暮らしていれば人生の重要な要因を逃し結果は不幸であると言えよう。
 確かに子育てでは親が機嫌よくしてるだけで、子どもが正しく生きられるようになるというのは、あまりにも楽観的すぎ、質問した親御さんからも叱られるかもしれない。

 しかし、親が機嫌よく過ごしている。確かに生きていれば不機嫌な事も多々あるだろうけれど、総じて機嫌よい親でいてくれることで、子どもたちは「この世を生きるのはまんざら悪いことじゃない」と感じるようになるのではないだろうか。その感覚こそが、よりよい人々と出会い、よりよい人生を生きられるようになる基本のような気がする。
「この世を生きるのはなかなか楽しいよ」と、せめてそれだけでも伝えられなかったら、親として情けないと、私は思うのだが…。

 もちろん偉そうなことを宣うそんな私も家族や同僚から仏頂面をたしなめられることも多い未熟者である。しかし自らも機嫌良くすることは、気の持ち方のトレーニングで実現可能であると思う。
 とくに意識しなくとも自らを整えることで展望が明るく開けるのではないだろうかと思うのだが如何なものか?。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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