2007.09.03
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仕込みはバッチリ!?

横浜市立みなと総合高等学校 有馬 真由美

 「あっ、フィルムを載せ忘れた!」
 「まだ、間に合うかも。取り出してみよう」
 「大丈夫だ、よかった」
 「バチン、バチンって音がするまで、しっかりハンドルをまわして」
 「硬くて動かないんですけど……」
 「手首で回そうとするからよ。体重を上からかけてしっかり回すの」
  バチン!バチン!
 「あっ、できた~!」(*1)
 
 夏休み中、国際交流ボランティアのバディたちは、週に1回のペースで学校に集まり、秋の文化祭の出し物の準備を進めている。(*2)今年はステージと展示の両方で、日ごろのバディ活動や国際交流プログラムの紹介をする予定である。ちょうど文化祭の前後に姉妹校であるカナダのブリタニアセカンダリの高校生17名が来日するとあって、彼らと一緒に展示やステージを楽しみたいと、みんな張り切っているのだ。

 ブリタニア準備室と名づけられたプロジェクトチームのメンバーが準備している内容の一部をご紹介しよう。3月末にカナダを訪問した様子を写真入りの日記風に仕立てて掲示する。現地でホストファミリーに作ってもらったマシュマロとライスパフを使ったお菓子を再現して販売する。オリジナルのバッヂを作成して販売する。などなどだ。

 しかるに、売り物に足るバッヂを作るべく練習をかねて、バディバッヂを作ろうということになった。子ども向けのバッヂ製作キットだから、生徒にまかせておいても大丈夫と高を括っていたのだが、予想を反して失敗作の山。力の入れ具合というか、勘所が掴めないのか……。あまりの歩留まりの悪さに、国際部の教員であらためてマニュアルを読みながら、どこが失敗の原因なのかチェックし、横にはりついての製作となった。そのかいあって、とりあえず失敗は数個までに抑えることができた。次は文化祭用のデザイン作成だ。

 夏休みが終わった。夏休みが夏休みでないという愚痴は前回書かせていただいたが、今年の夏は3年生の担任として、調査書の発行準備がひとつの山だった。教員として久しぶりに向き合う受験現場は、自分の時代と様変わりしていて私の経験など全く役に立たない。調査書で生徒の人となりをわずか数行で表現するのは至難の業に思えた。39人39通りの表現ができるほど、生徒を理解しているのだろうか。小さな空欄に、五・七・五の侘びさびとはいかないものの自分の能力のはかなさを感じながら、入力する日々が続いた。学校が始まって、出願準備が本格化したらどうなるのかしら。生徒本人と周りの先輩方に聞きながら、ひとつひとつ丁寧にあたれば大丈夫!かな。

(*1)写真1・2 缶バッヂ製作中
(*2)写真3   打ち合わせ風景
 
s-CIMG0749_s.jpgs-CIMG0751_s.jpgs-CIMG0756_s.jpg

有馬 真由美(ありま まゆみ)

横浜市立みなと総合高等学校
民間企業から教育現場に飛び込んで3年目。3年の担任として緊張の春です。中華街そばの地の利を生かし、お茶の間国際交流を生徒と一緒に取り組んでいます。

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