2007.08.13
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夏休み子ども科学体験教室

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 夏休みは「いつもと違って日の明るいうちに帰れるから、やっと人間に戻った気がするよ」例年行われている夏休みの教育課程の研修会でお会いした、知り合いのあるベテランの先生がしみじみと語った。

 さらに「昔は、音楽会や展覧会に行くと、必ず先生が来ていた。でも、最近はめっきりと見なくなった。みんな、余裕がなくなってきている気がする。この仕事をするならば、学校の外に風穴を開けておかないといけないのに・・・」と嘆きは続く。

 確かにこの欄を担当なさっている富山海洋高校の岩本先生の以前の文章にもあったように、最近は夏休みだって、用がなくてもほとんど毎日出勤。そして様々な「研修」がある。これも時代の流れかとも思うが、これ以外夏休みならでは(というか夏休みしかできない)の教師の仕事もあるのである。

 それは、学校外の様々な行事や催しに参加し普段接していない別の学校の子どもたちと触れあう、地域のお祭りや盆おどり、花火大会の見回り。子ども会でのラジオ体操、学習教室などがそれである。

 私は小学校理科の専科教員ということで例年市で主催している子ども科学教室の講師の一員として参加した。7月のある暑い日「夏の星座」というテーマでプラネタリュウムの夏の星座解説と星座早見盤作りを子どもたちに講義・実習してきた。

 普段の学校の授業と違って子どもたちはリラックスした中にも熱心であった。事前に申し込んだ子どもたちが参加するのだから興味があって当たり前だが、子どもたちは知らない低学年の子も高学年の子から教えてもらいながら楽しく学習することができた。
 何かを学びたいと思う子どもたちが自らの意志で学びにやって来る。ひょっとしてこれって教育の原点ではないのかなと思う。

 最後に30年近く前、私が大学時代の指導教官に聞いた話をひとつ。
「幼稚園に実習に来ていた大学生が、幼稚園児に積み木をさせようとしたのだが、いくら大きな声を出しても園児たちは言うことを聞いてくれない。そのとき、ひとりの学生が、黙って積み木遊びを始めた。すると、園児たちは、次々とその遊びの輪に加わって、一緒に積み木遊びを始めたらしい。教育とは、そういうものだよ。」

 私がしたいのは、子どもたちに積み木遊びをせよと大声を出すことでもなければ、生徒がどうすれば積み木遊びをするようになるかをあれやこれや議論することではない。ただ、生徒と一緒に、積み木遊びをしたいのである。
 
  ※写真は本校の林間学校の様子を撮影したものです。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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