2007.07.17
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承認の魔力

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー 佐々木 宏

高校三年生の生徒と進路をテーマに、コーチングセッションをしたときのこと。彼女は、一年のころは、親の影響力が強く、自分というものがなかった。二年になって、ぼちぼちと、自分のやりたいことが見つかり、三年になって俄然、大学入試に関心を示し、自分と向き合うことをはじめた。そのプロセスで、何度か進路を変更している。

彼女は、ゆれている自分に苛立ちを覚え、不安になって、セッションに臨んできた。セッションでかなり彼女の気持ちが整理されてきた様子だったが、帰り際にもまだ表情がクリアにはなっていなかった。そこで、フォローのメールを入れた。

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今は、とことん悩む時期です。人生を振り返っても、「あんなに悩んだ時期はなかった」というくらい、悩んでください。その後に出した結論は、きっとxxさんにとって、最良の選択となるはず。悩んで出す結論と、悩まずに出す結論は、同じ進路になっても、質が違います。

事実、この前までなりたいと言っていた栄養士のことなんか、口にもしないよね。それは、自分の価値観と向き合ったからじゃないですか?会うたび、君は着実に前進していますよ。

なやんだ末の結果なら、くいは残らないし、その選択に自信をもてるようになります。デッドラインは、8月12日ですね。それまで、もがいてください。
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上記のメールについて、すぐにレスが。


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「このぐらい悩んでも良いんですね、こんなに悩んでるの自分だけだーとか思ったりもして不安だったんです↓どうせなら悩んで出す結論の方がいいですよね! ずーっと同じ所で立ち止まってる気がしてたんで前進してるって聞いて安心しました(´▽`)ノ」
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生徒たちは、行く末の見えない将来に不安を感じています。そんな彼らの進歩を少しでも承認することでわれわれが想像する以上の安心感を覚えるようです。

実はこれは、わたし自身が、自分のコーチから半年のフィードバックで言われたことでした。

「わたしは半年間見てきましたけど、佐々木さん半年前からずっと進化していますよ!」

と。承認はやはりうれしいものです。是非、皆様の生徒にも・・・

佐々木 宏(ささき ひろし)

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー
通信制高等学校の生徒をコーチする傍ら、そこで得た知識や経験を元に、教育業界にコーチングを普及させるため、東奔西走中! 共に研究してくれる仲間を募集しています!

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