2007.07.16
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教師の疑問 学校への連絡

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 まもなく子どもたちも(そして実は我々教師も)楽しみにしている夏休みである。
しかし特に近年学校現場にはある悩みが…増えてきている。
ズバリそれは夏休みになると激増する校外での子どもたちの軽犯罪とその対応である。

 軽いところで言えばマンションでのピンポンダッシュ(説明は不要?)やいたずら電話といったお馴染みのいたずら、さらにエスカレートするとお店での万引き、自転車の二人乗りや危険な走行などの交通違反、無賃乗車、無銭飲食、プチ家出等である。

 このような場合私のこれまでの経験で申し上げると、ほとんどが被害にあったお宅やお店さらに警察をはじめとした関係機関から学校に連絡が入るのである。
すると校内にいる(場合によっては自宅から呼び出されて)担任の先生か生活指導主任の先生が、取るものもとりあえず該当の場所に駆けつけて、不始末を謝罪してくるのである。

 万引きなどでは最近は、現場を押さえたお店の人は直ちに警察に報告すると言う店も多いようだが、初犯だったりすると、すべてがすべて通報はされていないように思える。逆にほぼ100パーセントの確率で連絡が行くのは学校。そのたびに、教師がお店に行って頭を下げ、児童・生徒を引き取ってくる。

 本当は、このような対応は学校の仕事ではないと思う。 当然保護者の責任だと思う。しかし現実には名前も特定できず、学校名が唯一の手がかりである以上、常に連絡は学校が最初になり、先生方が矢面に立たされる。 学校と警察の連携で校区内の見回りをしたことがあるが、あるファンシーショップの店長さんは、「保護者には連絡が付いてもこの頃は迎えにも来ない。それに比べ、学校に連絡するとすぐに先生が飛んでくるので、まずは学校に連絡する。」とはっきり話していたのが印象深い。

 これでは、教師はたまらない。ただでさえ多忙さが深刻になっているのに、夏休みもこのような犯罪の後始末にも走り回らなければならないというのが実情。

 このことは小・中学生の軽犯罪件数が増加する昨今、学校側の悩みの種の一つである。学校は学校内での子どもに関してはしっかり責任を果たす、保護者は子どもが学校から一歩出た時点から親の責任をしっかり果たす、といった責任の区分けがはっきりしない以上教師は夏休みも休めないのである。(苦)

※写真は解剖顕微鏡を使ってメダカの卵を観察している本校の子どもたち。(本文の記事とは関係ありません。)
DSC01336_s.jpgDSC01335_s.jpg

北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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