2007.07.03
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

自分を「素」にする

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー 佐々木 宏

空腹時に買った幕の内弁当。その蓋を開けた瞬間に、あなたの大好きなエビフライが目に飛び込んでくる。さて、あなたは最初に食べる派ですか、それとも最後に食べる派ですか。

ちなみにわたしは、最初に食べる派です。なぜなら、食べている途中に大地震が来て屋根が落ちてきたとき、「あのエビフライを食べておくべきだったぁ~」と後悔するのがいやだからである。

しかし、だからといって、後に食べる派を軽蔑したり怒ったりはしない。どちらが正解だとか、間違っているだとかの問題ではない。個人の食のスタイルの問題にすぎないのだ。

食スタイルのことなら冷静にもなれるが、学習スタイルになると、いまだに知らず知らずのうちに、自分のスタイルを子供たちに押し付けてしまう場合がある。

先日も、ある生徒が
「日本と米国のラブソングの詩の内容の比較をしたい」
と言い出したとき、彼からなかなか具体的な行動計画が出てこなかったので、わたしのほうから
「同年代の友達で、洋楽が好きな子に聞いてみたら」
と、提案した。

彼はすぐに同意してくれたが、待てど暮らせど、彼の行動は起こらなかった。

そのとき、改めて彼の学習タイプを確認すると、思索・創造型で、一人で考え事をするタイプだということを再確認した。わたしはというと、元ライターであり、関係・影響型タイプである。知らず知らずのうちに、わたしのやリ方を彼に押し付けていたのである。

コーチングは支援であり、指導ではない。子供たちのタイプを尊重し、コーチ自身のやりかたを一度横に置き、「素」の状態で子供たちと向き合わなければならないのである。

わかってはいるが、簡単なことではない。これができたとき、真の学習コーチと言えるのだろう。

佐々木 宏(ささき ひろし)

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー
通信制高等学校の生徒をコーチする傍ら、そこで得た知識や経験を元に、教育業界にコーチングを普及させるため、東奔西走中! 共に研究してくれる仲間を募集しています!

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop