2007.07.02
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これも教師の義務? たまには早く帰ろう。

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭 北川 誠

 文部科学省が昨年40年ぶりに先生の勤務実態を調査した。公立小中学校の夏休み除いた5ヶ月間の平均で1日10時間45分だった。単純比較はできないが、いわゆる残業時間は40年前の調査に比べて5倍前後に増えたとしている。(朝日新聞6月2日の記事より)

 確かに学校で仕事をしないと間に合わないほど忙しいのも事実である。しかしどの学校でも先生たちが家に帰る時刻が年々遅くなってきている。中には夜の9時・10時頃になってやっと学校を出るとことができるという先生も多いのではないだろうか。
 
 しかし、学期末、学年末ならともかくそれが毎日のように常態化してしまって、受け持ちの子どもたちが寝る時刻よりも遅く帰宅するという生活ははたして正常だろうか。仕事が多かったら、自宅に持ち帰って深夜までやるのもしかたがない。朝早く起きて頑張る方法もあるだろう。とにかく、もう少し早い時間に帰ってみようと提案したい。

 日が沈む夕暮れの学区の景色の下、それぞれの家から流れてくる夕げの匂い、公園から帰宅する子どもたちの姿そんなものを全然感じない生活では、心が豊かになるはずはない。

 我々教師の仕事は、とことんやってやろうと思ったら、きりがない。つきつめてやったら家には帰れないかもしれない。でも、そんな苦しく、淋しい生活をしている人間が、心豊かな子どもを育てることができるだろうか。仕事も大切だが、自分の時間を持つことは、もっと大切ではないか。本当は子どもたちは、仕事でくたくたに疲れた先生に果たして教えてほしいとは思うだろうか。
 
 自分の時間はきちんと確保し、自分の趣味に取り組んだり、「学校社会」以外の人とつき合ったりして、自分の中身をふくらませ、自分自身が心豊かになることこそ、本当の意味で「子どもたちのためになる」ことであり、それが教師の義務ではないかと思うのだがいかがであろうか。
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北川 誠(きたがわ まこと)

埼玉県朝霞市立朝霞第十小学校 教諭
「駄洒落」を立派な日本の文化・言葉の見立てと考え、子どもたちからは「先生 寒~い」と言われてもめげず連発してます。モットーは「花には水を人にはユーモアを」。

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