2007.06.11
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変身! スーパー高校生現る!

横浜市立みなと総合高等学校 有馬 真由美

「すげえよ、Aくん。突然、中国語しゃべりだしたんだぜ」
「だよなぁ!べらべらなんだよ」
「突然、別人みたいになっちゃって。かっこいいよな」
 そうそう、みなと総合ではバイリンガルというと、まずは日本語&中国語なのよね。
 
「先生、見てよ。俺こんなに名刺もらっちゃったよ」
「すごいじゃない。メルアドが書いてあるからメールしないとね」
「うん、メールってケイタイから送っても届くの?」
 届く届く。ただし返事が文字化けしちゃうかも。

「先生、次はどこの国からいつ来るの。すっごく楽しいねえ」
 うんうん、楽しいねぇ。だからまたがんばってやろうって気になるんだよね。

 今年の受入れ第一弾として、台湾から80人の高校生を迎えて1日訪問プログラムを実施した。台湾の学生には、本校の国際交流ボランティアのバディとペアになって授業を受けたり、食堂で定食を食べたりして、みなと生気分を味わってもらう。放課後はラウンジで交流会を開き、つたないながらも互いの言語でスピーチの交換をしたり、日本の歌を唄ったりした。とはいえ、80名はかなりの人数だ。それを半数のバディでおもてなしするために、今回は午前と午後の2グループに分かれて参加してもらった。団体旅行でもよく見かける光景だが、言葉や場所に不慣れな集団は、とかく団子状になって行動してしまう。ただでさえ慌ただしい昼食時の食堂は大混雑だ。バディには簡単なタイムスケジュールを伝えただけで、台本を用意したわけでもないので、状況を見ながら動いてもらうしかない。交流初体験の1年生バディ、上手に動けるかしらという私の不安を見事に裏切って、バディはみな手際よく案内してくれた。

 短い滞在時間にもかかわらず、交流会の終わりには、お互いにすっかり打ち解けて仲良くなっていた。さすが高校生。国が違っても友達になりたいという思いは共通なんだね。手製の名刺カードやプレゼントを交換したり、写真を一緒にとったりする姿は、本当に生き生きとしていた。くやしいけど、授業ではなかなかお目にかかれない光景だ。

 交流の締めに玄関階段で記念撮影をした。飛び入り生徒も加わり、総数は不明。みんな、この瞬間の自分の存在を残すべく、空いたスペースにむかって背伸びをしたり、手をのばしたりしていた。私の中指か薬指も、写真の隅に写った……かな?

 交流後、1年生が5人新たにバディに登録した。

写真1:炒飯定食は好評で、ほぼ完食。
写真2:台湾の男子生徒が背が高く逞しいのにはびっくり。
写真3:右上に見える手のひとつが私。
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有馬 真由美(ありま まゆみ)

横浜市立みなと総合高等学校
民間企業から教育現場に飛び込んで3年目。3年の担任として緊張の春です。中華街そばの地の利を生かし、お茶の間国際交流を生徒と一緒に取り組んでいます。

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