2007.05.22
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教師は、「教える」を捨てられるか

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー 佐々木 宏

先日、ある生徒の自由研究の進め方について、相談に載ったときのこと。彼は漠然とプログラム関係の研究がしたいと伝えてきた。わたしはIT音痴で、なすすべなし。

「せいぜいどんな仕上がりになっていたらうれしい?」
「プログラムに関心を持った動機は?」
などと、コーチングの基本的な質問を並べるのが精一杯だった。

しかし、想像力が十分でない生徒からは、明確な回答が得られなかった。
そこで、流れを変えるため、本校でITに詳しい先生に協力してもらい、彼と向き合ってもらった。

すると、
「君はジャバできる?CGIはどう?HTMLは?」
など、IT用語を使った質問がぽんぽんと飛び交った。
その中で、生徒は「HTMLはできます」との返事。
それで、自由研究の最終目標は、HPを制作することとなった。わたしはそのコンテンツの方を考えるコーチングに徹することでよくなったのだ。

コーチングは引き出すことがメインだから、専門知識はなくてもできる。しかし、専門知識があれば、より質の高いセッションができることを確信した。

ただ疑問も残る。わたしはコーチ業から教師になっているので、思い切って教えることを捨て、引き出すことに徹することができる。生徒に「教えて」とお願いすることすらできる。

しかし教師に、専門外のことであっても、「教えること」を捨てることができるだろうかと。時には教師になり、時にはコーチになる。この使い分けが大切なのだろう。

佐々木 宏(ささき ひろし)

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー
通信制高等学校の生徒をコーチする傍ら、そこで得た知識や経験を元に、教育業界にコーチングを普及させるため、東奔西走中! 共に研究してくれる仲間を募集しています!

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