2007.04.30
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熱烈歓迎優男的中国留学生!?

横浜市立みなと総合高等学校 有馬 真由美

「せんせ~、あの子だれ?」
「ああ、彼ね。4月からうちで勉強することになった中国人留学生。面倒みてあげてね」
この質問、今日で何度目だっけ。男子の割合が少ない本校で、私服姿のすらっと背の高いイケ面青年は、目立つのだろう。中国吉林省出身のK君は、4月から7月まで本校で学ぶことが先日決定した。

平成18年度の文部科学省のデータによると、海外に3カ月以上留学する日本人高校生の数は年間約4000人。一方、海外から3カ月以上日本に留学する高校生の数は、約1500人だそうだ。貿易に例えれば、完全な輸出超過? 内訳を見ると、日本人の留学先の9割が英語圏であるのに対し、受け入れ留学生の国別トップは中国、ついで合衆国となっている。留学生の受け入れ先を決める際に、英語圏の生徒から決まっていき、それ以外の国の生徒がなかなか決まらないことが多いと聞いた。確かにデータから見ても、お世話になった国の留学生を受け入れるのが自然な流れなのかもしれない。が、本当にそうなのかなあという気持ちも正直ある。

みなと総合では現在、メキシコからの長期留学生も勉強している。昨年は、アメリカ合衆国、オーストラリア、ドイツ、イスラエル、台湾、中国から、長・中・短期から一日訪問まで、柔軟に生徒の受け入れを行った。幸い、本校の先生方は留学生の受け入れを支援してくださっている。それでも、今回のK君のような受講科目の調整が必要な中期以上の場合は、職員会議で説明してご了解をいただいた上で、正式に決定している。他校の中には留学生の受け入れが遅々と進まず、厳しい状況のところもあるらしい。
はたして、日本人留学生を受け入れている海外の学校で、職員会議のような会議体で採決をはかる学校は、あるのかしら……。

さて、一見クールな優男風のK君だが、この前は中国雑技団もびっくりの隠し芸を披露してくれた。名づけて一人縄跳び。両手を組んでループ状にした腕をまたぎ、背面、頭上、胸の順に両手を組んだまま、肩や腕の角度を器用に調節して、元の位置まで戻すのだ。表情ひとつ変えず、けろっとした顔でやってのける傍らで、感嘆と驚嘆の叫びが周囲であがった。うーむ、何だか他にも特技がありそうで、これから4か月が実に楽しみだ。


写真1:国際交流バディのキックオフミーティング。さ~て本年がいよいよ始動。みんなきらきらした目をしている。頼もしいぞ。
写真2:留学生もすっかりなじんで見分けがつかない?
s-CIMG0625.jpgs-CIMG0628.jpg

有馬 真由美(ありま まゆみ)

横浜市立みなと総合高等学校
民間企業から教育現場に飛び込んで3年目。3年の担任として緊張の春です。中華街そばの地の利を生かし、お茶の間国際交流を生徒と一緒に取り組んでいます。

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