2007.04.24
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「自分創り」という発想

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー 佐々木 宏

「”自分探し”などと、ふざけた言葉があるから、子どもたちが甘えるんだ!」

学習コーチングの研修に参加された、ある管理職の教員から発せられた言葉だ。
 ニートやフリーターが増えた背景に、大人たちが創り出した「自分探し」という言葉に依存する若者の心理があるのではないかと指摘する。

「この人は、学習コーチングの価値観と対極にある人だな」と感じた。

 しかし、よくよく話を聞いてみると、どうもそうではないことが分かった。むしろ逆なのである。彼は続けてこう言った。

「子どもたちはいろんな可能性を持っている。大切なのは"自分創り”の精神だ」

目からウロコであった。コーチングは、子どもたちの潜在的な可能性を引き出すこと。
「自分探し」という気持ちで子どもと向き合うと、「やっぱり自分に向いていないからやめる」という子どもとの気持ちを簡単に容認してしまうことになるだろう。

 しかし、「自分創り」の気持ちで向き合ったときには、
「ちょっと待て。本当に向いていないの?考えられる方策はすべて試してみた?環境のせいだとは考えられない?やめるのは、いつでもできるよ。あと1ヶ月がんばってみない?」
などと、立ち止まり、可能性を追求することを促すこともできるだろう。

子どものいうことをそのまま尊重するか、立ち止まらすか。これらの判断は大人たちの眼力にかかってくる。

日ごろから子どもたちの価値観や強みについて整理しておくことが重要だと痛感した。

佐々木 宏(ささき ひろし)

株式会社アットマーク・ラーニング内 コーチングアカデミー
通信制高等学校の生徒をコーチする傍ら、そこで得た知識や経験を元に、教育業界にコーチングを普及させるため、東奔西走中! 共に研究してくれる仲間を募集しています!

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