2007.04.16
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さくら咲く in Vancouver

横浜市立みなと総合高等学校 有馬 真由美

◆4月5日 始業式後、廊下で、とある生徒との会話。
「せんせ~、お腹も時差ボケになるんだね。いつも朝ごはん食べないのに、食欲もりもりなの。戻ってからのほうが、太っちゃう。どうしよぉ」時差16時間のバンクーバーから帰国して4日目。さすが高校生、睡眠サイクルはなんなく回復しても、腹時計はいまだ現地時間をひきずっているらしい。終了式が終わるやいなや、20人の生徒を連れてバンクーバーの姉妹校へ9泊10日の国際交流プログラムへ旅立ち、戻るやいなや新年度。時差ボケを感じるゆとりも、息をつく暇も許されず、いきなりの全力疾走。折込ずみとはいえ、やはりしんどいなあ。

 初回から、いきなり愚痴っぽい出だしで失礼いたします。しかし、教員3年目の若葉マークに毛がはえた私が、格好をつけても仕方ありませんので、等身大の自分をストレートにお伝えしたいと思います。とはいっても、民間企業で働いた期間が長かったため、若葉色に若干鮮やかさが欠けている感はいなめませんが。

 今回訪問したBritannia Secondary Schoolは、バンクーバー市内のチャイナタウン近くにあるコミュニティースクールです。コミュニティースクールとは、文字どおり地域の学校で、小学校、中学校、高校のみならず社会人学校まで備えた教育機関です。広大な敷地には、グラウンドや体育館といったお決まりの施設に加え、温水プールにフィットネスジム、さらにはお国柄を反映して、屋内アイススケート場まであり、生徒のみならず地域住民にも解放されています。今回は、みなと総合高校のために貸し切でアイスホッケープログラムを組んでもらいました。手入れの行き届いた素晴らしいリンクで、生徒たちは存分にスケートとアイスホッケーを現地の生徒と一緒に満喫しました。

 この訪問にまつわる話はつきませんが、字数に限りもありますので、交流プログラムの支柱ともいえる国際交流バディの役割についてご紹介したいと思います。英語で相棒の意味するBuddyとは、スキューバダイビングなどで、お互いの命を支えあう相方のことを意味しますが、われわれの国際交流活動では、学校や日常生活のサポートをしてくれるホストのことをバディと呼んでいます。今回のようなホームスティの場合はホームスティ先の生徒がバディを務めてくれる場合がほとんどです。ちなみに、みなと総合では国際交流バディとして登録した生徒たちが約70名いて、海外からの学校訪問を受ける際に活躍してくれています。

 さて、生徒にバディがいるように、教員である私たちにもバディがいます。現地で受け入れプログラムを担当してくれた先生お二方です。彼らとタグを組むのは2度目とあって気心も知れ、今回は自宅へ夕食にご招待してくださいました。生徒のホームスティ先の差配から、送迎バスの手配、施設設備の確保、さらには他の職員との交流の橋渡しとサポートは多岐におよび、そのおかげで破格のプログラムが成立しているのです。

 実は、今回お世話になったバディや二人の先生は、この秋に、みなと総合高校を訪問する予定になっています。ですから、別れの涙が乾くまもなく、生徒たちは自分たちがしてもらった以上のことをしてあげたいと飛行機の中で、早くもその算段をし始めていました。

 学んだ外国語を使って世界中に友達を作ろう! このシンプル極まりない考えを実現すべく、生徒と一緒に試行錯誤を重ねながら、国際部の活動をしています。「国際」というキーワードで公立学校の枠組みをどれだけ変革できるのか。21世紀に求められているグローバル教育とは何なのか。定まりきれない目標に向かって、模索しながら走る様子を、つれづれなるままにお伝えするつもりでいます。どうぞよろしくお願いします。
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有馬 真由美(ありま まゆみ)

横浜市立みなと総合高等学校
民間企業から教育現場に飛び込んで3年目。3年の担任として緊張の春です。中華街そばの地の利を生かし、お茶の間国際交流を生徒と一緒に取り組んでいます。

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