今週の月曜日、山口県のある私立高校の数学科研修に講師として呼んでいただきました。
その高校の進路担当の先生が講演されたセミナーに本校の教員が参加したのが縁で、学校訪問に来てくださり、その後メールのやり取りと数回の懇親を経てアクティブラーニング型授業の実践状況について話をして欲しいとの依頼を受けて行ってきました。
内容は3部構成にしました。まず第1部として、本校の数学科のいろいろな取り組みを紹介しながら、前提となる本校に関することを知ってもらいました。
次に第2部として、私自身がアクティブラーニング型授業に取り組むことにした経緯として、いつ、どこで、なぜ、何を、どのように、といったことを話しました。それに加えて、生徒へのアンケートの結果も示しました。
さらに第3部として、アクティブラーニングその先へとして最近取り組み始めたことと、これからやっていきたいと考えていることを話しました。
講師経験のない私の話を一方的に聴き続けるのは、聴いている方としては大変だろうなと思い、あらかじめ3人一組になってもらい所々でグループで気づきを共有してもらいつつ質疑応答を入れました。校内研修なのでアイスブレイクは必要ないかなと思っていましたが、主催者の先生に縁のある他校の先生と出版社の方が来られるとのことを聞き、急遽アイスブレイクを入れて、この研修が一方的なものにならないように工夫をしたつもりです。
第1部はあまり質問等ないだろうなと思っていましたが、数学科の先生方の研修なので、ここからすでに多くの質問をいただきました。学外への人事異動のない私立高校に勤務していると、他校の取り組みは新鮮に映るのだということを再認識しました。
日常身の回りの世界で当たり前だと感じていたことが、外に出てみると当たり前とは限りません。常に外の情報に気を配り、視野を広げていく必要があります。
第2部は去年の12月2日にこの場に投稿した「実践発表」の内容のリメイクです。ここが話題の中心だとの認識で情報量が多かったせいでしょうか、ここは想像していた量よりは質問等が少なかったです。
第3部はまだまだ試行錯誤段階なので、今日のこの場には書きませんが、年末あたりを目安に整理して発表できると良いなと考えています。もうしばらくお待ちください。
時間の許す限り通常の校務の後などにアイディアをまとめて準備をし、プレゼンテーションソフトでスライドが85枚の分量になってしまいました。90分という長い時間をいただいていたおかげで、ほぼぴったり収めることができました。
ところでこうやって形にまとめて話をすることで、自分の考えをまとめて再構成することができました。最近の自分自身が考えている課題として、「そもそもアクティブラーニングって?」という根本的な疑問、高校3年生の担任として教科担当教員として「受験生」を担当するにあたって何をどうしていくべきかということ、年齢的にも役割上も中堅に入り「学校として」どうして行くべきかを考えて行動に移していくこと、「アクティブラーニングの先にあるもの」が何かを考えることが挙げられます。
その全てに対して答えが得られたわけではないですが、漠然と考えていたことを明確にすることができ、十分にイメージしきれていなかったことが少し形になったりしました。
やはり書くことや話しすることは考えることですね。
講師として前に立っていながら、参加者の皆さんに気づかせていただいたことの方が多かった気がします。
なお、この研修のための出張で丸1日クラスを離れていましたが、帰ってきた火曜日の午後に「先生、おかえりなさい。」と言ってくれた生徒がいました。この生徒達と走り続ける残り約8ヶ月を、全力で楽しもう!と再確認しました。

石丸 貴史(いしまる たかふみ)
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
