前号に引き続き、モジュール活動で私が行っている実践を紹介したいと思います。
小学校英語を”学習”にするポイント
私が大事にしている点について確認しておきます。
○意味のある繰り返しを行う(必然性・達成感が生まれるようにする)
○双方向のコミュニケーション活動を仕組む(ビデオで終わらず、人とのやりとりを行う)
○言葉を使う場をイメージできるようにする(話す・聞くではなく、使う視点を大切にする)
Talk Time 2
英語だけで会話を続ける時間です。
以前にも紹介させてもらった活動をレベルアップさせたものです。
以前の活動は以下をご覧ください。
今回は「英語を使う場面を設定する」というものです。
(1)ペアで行います。
(2)場面設定を全体で選択します(多数決で決めることが私は多かったです)。
A 修学旅行での小学生と外国人観光客
B 道端で困っている外国人と通りすがりの小学生
C 外国の学校での転入生とクラスの小学生
(3)選んだ場面でどちらの役割をするかじゃんけんで決める
(4)設定した時間の間、英語で会話を続けていく(60~120秒の間を私は設定していました)。
Aの場合、小学生役が「Hello. How are you?」と話しかけ、「Where are you from?」「Where are you going?」など、既習の英語表現やジェスチャーを使って会話を続ける。話はありえない方向にいくことが多いが、それに合わせていくようにする。
(5)設定した時間の間、会話を続けられたペアに拍手を送る。
(6)時々、続けられたペアに全体の前で発表してもらう。
(7)「こんな英語を言いたかった」というものがあれば発表してもらい、それを英語に訳して全体で少し練習する。それを次時で使えるようにカードに書いて残しておく。
例 「日本料理で好きなものは何ですか?」と聞いてみたかった。
活動を行う上でのポイント
この活動はある程度の英語表現に慣れ親しんでいることが前提です。
私の実践は、3年生から英語の授業を受けた6年生の2学期で行ったものです。モジュールも含めた時間数で言うと100時間以上の英語授業を経験した子どもたちです。
また、前号で紹介した「Change Game」や上記した「Talk Time」などに親しみ、「自分の知っている英語を使って何とか伝えよう」という態度があった方がいいと思います。
ただ、失敗しながら子どもは学ぶものです。まずはやってみるのもいいかと思います。「できるようになってからやる」よりも、「やりながらできるようになる」ものだと思います。
「こんな英語を言いたかった」と思う機会をたくさんつくることで、自分から英語表現を手に入れていくアクティブラーナーが育っていくのだと思います。

江尻 寛正(えじり ひろまさ)
倉敷市立連島南小学校 教諭
アクティブラーニングを意識した“子どもが学修する”小学校英語教育実践を紹介したいと思います。平成26年度「わたしの教育記録」(日本児童教育振興財団)特選受賞、「小学校外国語活動研修ガイドブック」(文部科学省)や「英語教育」(大修館書店)等で執筆協力。
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静岡大学教育学部附属浜松小学校 教諭
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