もう1ヶ月近く前になりますが、12月19日(土)京都で行われた産業能率大学主催の授業改革推進フォーラムに参加しました。
京都大学教授の溝上先生、三重県立四日市南高等学校校長の鈴木先生、岐阜県立可児高等学校の浦崎先生の講演、京都市立堀川高等学校の『探求』活動について、大谷大学荒瀬先生の講演と、盛りだくさんの内容で、とても充実したフォーラムでした。
今日のこの場では、私自身が本年度アクティブラーニング型授業を取り入れて授業改善をしていく中で、直面している問題の解決の糸口になった鈴木先生のお話から考えたことについて書きたいと思います。
まず、アクティブラーニング型授業を取り入れて半年以上たちましたが、授業のメニューを配布し、必要なことはできるだけ最小限の時間で講義を行い、講義にはICTを活用して、できるだけ長くグループの時間を設定し、最後に確認テストとふりかえりを行う流れで授業をしてきました。
そこでぶつかった問題は、「ふりかえりが有効に機能していない」ということです。
ふりかえりは選択肢で聞く部分とフリースペースに記入させる部分で構成しています。
アクティブラーニング型授業が定着してくると、選択肢には丸をつけるが、フリースペースには何も書かない生徒が増えてきました。
フリースペースにコメントが書いてあったとしても、「わかった」のように簡単なものしかないのです。これでは十分なふりかえりができていると思えません。
アクティブラーニング型授業が定着してくると、選択肢には丸をつけるが、フリースペースには何も書かない生徒が増えてきました。
フリースペースにコメントが書いてあったとしても、「わかった」のように簡単なものしかないのです。これでは十分なふりかえりができていると思えません。
その対策として、ふりかえりの欄の形式を工夫して記入を促してきましたが、きっちり書く生徒は書くが、書かない生徒は全く書かないままという二極化が起こるだけで解決になっていませんでした。
そんな中、このセミナーで鈴木先生の講演の中で、『授業の最初に「目標設定」をする。』という話に出会いました。
お話は、授業の最後にふりかえりを生徒に行わせるようにしているという点では同じでしたが、そのために注意すべき点が、目標設定であるということでした。
目標設定とは、「この時間に何を身につけるか?」であって「教科書の何ページをやるのか、どの単元をやるのか」ではないということを気がつくことができる内容でした。
これをきっちり行うことがその後の生徒の主体的な活動につながり、最後のふりかえりの充実につながるとの内容でした。
これをきっちり行うことがその後の生徒の主体的な活動につながり、最後のふりかえりの充実につながるとの内容でした。
鈴木先生のお話の中にもありましたが、アクティブラーニング型授業を推進していくうえで、一斉講義型授業の場合の教員の力量と生徒の集中力は比例すると強く感じています。
勤務校の中でも様々な形でアクティブラーニング型授業といえるものが広がっています。
しかし、アクティブラーニング型にすれば全てが解決できるわけでもないですし、
教員として一斉講義を円滑に運営できる力量がなければうまくはいかないということを多くの先生方が感じていると思います。
勤務校の中でも様々な形でアクティブラーニング型授業といえるものが広がっています。
しかし、アクティブラーニング型にすれば全てが解決できるわけでもないですし、
教員として一斉講義を円滑に運営できる力量がなければうまくはいかないということを多くの先生方が感じていると思います。
それを踏まえて、教壇に立つ身として教員が「自分の授業をどうしたいか?」をよく考えて、「授業をデザインする」思考が大切だと感じたお話でした。

石丸 貴史(いしまる たかふみ)
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。
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