みなさん、こんにちは。
今年も残りわずかとなりました。成績処理も一段落とったところでしょうか。
冬休みは、リフレッシュして、三学期への準備をきちんとしたいものですね。
さて、有田和正先生に学ぶシリーズです。
前回から、課題・めあての持たせ方についてお話しています。
今日、述べさせていただくポイントは、「オープンエンド」で授業を終わる、です。
では、「オープンエンド」とは何でしょうか?
ここで余談ですが、オープンエンドは教育用語です。
教育用語をいくつ知っているでしょうか。
教育用語は、きちんと知識として獲得しておく必要があります。
一つの教育用語には、無数の教育実践が関わっているからです。
教育用語を知ることで、教師としての力量もアップするのです。
教員をしていて、この教育用語を知らない・・・というのは、恥ずかしいと思います。
せめて、聞いたことある!! くらいにはしたいです。
最近では、ネットでも調べることができるので、
気になる教育用語はどんどん調べることをおすすめします。
話を「オープンエンド」に戻します。
簡単に言うと、授業の最後に「まとめ」がない、ということです。
しかし、「まとめ」がないと言うと、抵抗がある先生もいらっしゃると思います。
私の場合は、「まとめ」もしながら、「オープンエンド」をするといったところです。
「まとめ」をしっかりしないと、混乱する子も出てくるからです。
「まとめ」をしつつ、疑問もいくらか残すという形です。
社会科の日本の自動車工業の単元を例にとります。
45分授業で、
「自動車工場は、流れ作業で車をつくっている」
ということを最後のまとめとして取り扱います。
この45分の授業の最初のゆさぶりの課題(めあてにあたります)は、
「一台の自動車を完成させるのに、何人の人が必要ですか」です。
授業中、子どもたちは、一生懸命に考えます。
そして、最後に、
「なるほど、流れ作業でしているから、これだけの人数でいいんだね」
と話をします。
ふつうならこれで終わりですが、
オープンエンドでは、最後にまた、ゆさぶります。
「人間とロボット、どちらが信頼できるんだろね」、
子どもたちは、ワイワイ話を始めます。
ここで、教師は答えを言いません。
一緒に「どうなんだろうね」ととぼけつづけます。
授業ではなく、ちょっとした先生の話をする時に例をとります。
俵原正仁先生から教えていただいた実践なのですが、
「今日は何の日?」という実践です。
黒板に、「12月21日(今日の日付)○○の日」とだけ書いておきます。
そして、○○の答えは、あえて言いませんでした。
関係ない他の話をしていました。
すると次の日、○○が何なのか、調べてくる子が多数いました。
これは、4月から、今日は何の日か、クラスで話をしていたので、その成果が出たのだと思います。
つまり、オープンエンドとは、教師が最後まで答えを言わない、ということです。
まとめをしたとしても、さらなる「ゆさぶり」を用意して、
「?」がほどよく残る終わり方をするのです。
これこそ、子どもたちの内面に根付いた「めあて」「課題」なのだと思います。
次回は、有田学は少しお休みし、
私の単著『子どもと保護者の心をわしづかむ! デキる教師の気配り・目配り・思いやり』について紹介したいと思います。
それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)
大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。
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