2015.12.23
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有田和正 先生に学ぶ 課題・めあてのもたせかた3

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。
今年も残りわずかとなりました。成績処理も一段落とったところでしょうか。
冬休みは、リフレッシュして、三学期への準備をきちんとしたいものですね。
 
さて、有田和正先生に学ぶシリーズです。
前回から、課題・めあての持たせ方についてお話しています。
今日、述べさせていただくポイントは、「オープンエンド」で授業を終わる、です。
では、「オープンエンド」とは何でしょうか?

ここで余談ですが、オープンエンドは教育用語です。
教育用語をいくつ知っているでしょうか。
教育用語は、きちんと知識として獲得しておく必要があります。
一つの教育用語には、無数の教育実践が関わっているからです。
教育用語を知ることで、教師としての力量もアップするのです。
教員をしていて、この教育用語を知らない・・・というのは、恥ずかしいと思います。
せめて、聞いたことある!! くらいにはしたいです。
最近では、ネットでも調べることができるので、
気になる教育用語はどんどん調べることをおすすめします。

話を「オープンエンド」に戻します。
簡単に言うと、授業の最後に「まとめ」がない、ということです。

しかし、「まとめ」がないと言うと、抵抗がある先生もいらっしゃると思います。
私の場合は、「まとめ」もしながら、「オープンエンド」をするといったところです。
「まとめ」をしっかりしないと、混乱する子も出てくるからです。
「まとめ」をしつつ、疑問もいくらか残すという形です。

社会科の日本の自動車工業の単元を例にとります。
45分授業で、
「自動車工場は、流れ作業で車をつくっている」
ということを最後のまとめとして取り扱います。
この45分の授業の最初のゆさぶりの課題(めあてにあたります)は、
「一台の自動車を完成させるのに、何人の人が必要ですか」です。
授業中、子どもたちは、一生懸命に考えます。
そして、最後に、
「なるほど、流れ作業でしているから、これだけの人数でいいんだね」
と話をします。
ふつうならこれで終わりですが、
オープンエンドでは、最後にまた、ゆさぶります。
「人間とロボット、どちらが信頼できるんだろね」、
子どもたちは、ワイワイ話を始めます。
ここで、教師は答えを言いません。
一緒に「どうなんだろうね」ととぼけつづけます。

授業ではなく、ちょっとした先生の話をする時に例をとります。
俵原正仁先生から教えていただいた実践なのですが、
「今日は何の日?」という実践です。
黒板に、「12月21日(今日の日付)○○の日」とだけ書いておきます。
そして、○○の答えは、あえて言いませんでした。
関係ない他の話をしていました。
すると次の日、○○が何なのか、調べてくる子が多数いました。
これは、4月から、今日は何の日か、クラスで話をしていたので、その成果が出たのだと思います。

つまり、オープンエンドとは、教師が最後まで答えを言わない、ということです。
まとめをしたとしても、さらなる「ゆさぶり」を用意して、
「?」がほどよく残る終わり方をするのです。

これこそ、子どもたちの内面に根付いた「めあて」「課題」なのだと思います。

次回は、有田学は少しお休みし、
私の単著『子どもと保護者の心をわしづかむ! デキる教師の気配り・目配り・思いやり』について紹介したいと思います。

それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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