2015.11.26
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

Shigagakuen Future Leadership Program(その1)

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長 安居 長敏

前回、概要をご紹介した <滋賀学園の展開する「21世紀型授業」> について、順に詳しく述べていきます。

まずは、高校Ⅱ類(特別進学コース)の1年生を対象にした『Shigagakuen Future Leadership Program』。今年度から学校設定科目「国際理解」として毎週金曜日の午後、5ー6校時の2時間連続授業として開講しています。

新しい学びの創出をめざす授業

この授業は、これからの社会で活躍するための価値観やリーダーシップを身につけるワークショップをベースに進めており、次の3つを目標にしています。

1.リーダーシップを身につけ、滋賀学園を代表するリーダーとなる。
2.IT機器を使いこなし、より効率的・効果的な学習方法を自ら身につける。
3.これからに必要な21世紀型能力(思考力・判断力・表現力・Communication・Corraboration・Critical Thinking・Creativity)を身につける。

授業の進行は、これまでの取り組みや指導姿勢などを参考に、校長から指名した3名の教員(社会科、数学科、英語科)が行い、アドバイザー役の大学の先生と一緒に授業の展開を組み立て、生徒の学びを支援しています。

従来の一斉講義形式とは異なり、PBL(Project Based Learning)とICT活用を組み合わせた、今までにない新たなワークショップ型授業を展開し、企業連携、高大連携、さらには地域連携をも視野に入れた、21世紀型スキルを身につけるためのアクティブな学びを創出したいと考えています。

今年度、まずは高1・Ⅱ類の1クラスに導入・検証し、次年度以降、3年計画で全校に広げていく予定です。本校のめざす「世界一、わくわくする学校」を象徴する授業として、大切に、かつスピーディーに育てていくつもりです。

滋賀学園の魅力を最大化し、滋賀学園が全国に有名になる方法を提案せよ

ファーストステップとなった1学期、こちらが用意したミッションは「滋賀学園の魅力を最大化し、滋賀学園が全国に有名になる方法を提案せよ」というもの。4人1組のグループで課題に取り組み、最終的にコンテスト形式で校内発表会を行います。

毎週、段階的に課題を与え、作業し、発表するというサイクルを繰り返す中で、小さな成功体験を積み重ね、最終プレゼンテーションまで進めていく流れで授業を設計しました。

Day1(4月24日)
5校時/オリエンテーション(クラス全体設計について)、HPタブレットの利用方法について
6校時/ワークショップ「HPの社員になったつもりで」、発表

Day2(5月8日)
5校時/グループ決定、課題発表、校長セッション「滋賀学園の魅力」
6校時/ワークショップ「魅力的な高校について」、発表

Day3(5月15日)
5校時/滋賀学園の魅力を探す(動画撮影)
6校時/動画発表プレゼン

Day4(5月29日)
5校時/グループワーク、アイディア出し
6校時/プレゼン資料作成

Day5(6月5日)
5校時/プレゼン資料作成
6校時/中間発表、振り返り

Day6(6月19日)
5校時/プレゼン準備
6校時/模擬プレゼン、振り返り

Day7(6月26日)
5校時/最終プレゼン
6校時/審査・講評

Day8(7月3日)
5校時/振り返り(グループ)
6校時/振り返り(個人)

Day3:「滋賀学園の魅力!を探して動画を撮影」

授業展開の一例として、今回は3回目の授業を取り上げてみます。

 

この日のworkは「滋賀学園の魅力!を探して動画を撮影する」というもの。5校時、各グループ1台のタブレットを手に校内を駆け巡りながら「魅力!」を探し、動画を撮影しました。続く6校時には、それをお互いに発表しあいながら、中身を整理しました。

その講評で、私は次の4点を挙げ、作業(リサーチ)やまとめ方、発表の中身が高まるようコメントをしました。

1.「知る」

対象(今回は滋賀学園という学校)をどれだけ知っているか、その中でしか課題は達成できない。広く、深く知っていればいるほど、探せる魅力が増える。なので、まずは徹底的に対象を知ること。それが第1段階。

2.「ココロに照らす」

これだというモノが見つかったら、そのどこが・何が魅力なのか、自分の感性に照らし、一歩踏み込んだ共感点を探し出す。どこまで自分の気持ちが投影できるかで、その魅力を伝える迫力のベースが決まってくる。より、ココロに響くモノを追求することが大事。

3.「伝え方を考え、撮影する」

自分が共感した魅力をどう伝えるか、伝え方を考えながら、いよいよ動画を撮影する。実際に撮影するのはここからで、1~2の準備をせず、いきなり撮影に入ると必ず失敗する。言いたいことが伝わらないばかりか、動画が上べだけの散漫なものになってしまい、クオリティ(訴求力)が下がる。

4.「表現力・プレゼン力」

最後が伝え方、いわゆるプレゼン能力の部分で、テクニックが大きく影響するのはこの段階。上記3までの各段階がしっかりできてさえいれば、ハートが十分ウォーミングアップされた状態にあるので、たとえテクニック的に未熟でも、相手に十分伝わるだけの水準に達している。訓練でテクニックを身につけていけば、さらなる感動を呼べるような発表になっていく。

さらに、カタチあるもの(ハード)に目が行きやすいが、実は雰囲気だとか空気感、学校に流れる風みたいな、ソフトやハートの部分にも目を向けると、けっこう新鮮な、ココロに響く魅力がある・・・ということを伝え、コメントを締めくくりました。

(次回に続きます)

安居 長敏(やすい ながとし)

滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。

同じテーマの執筆者
  • 樋口 万太郎

    京都教育大学付属桃山小学校

  • 大谷 雅昭

    群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop