2015.10.26
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

「とぼける」技術

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。

いよいよ秋らしくなってきましたね。

クラスはどうでしょうか?

 

実は、10月、11月が一番荒れやすいのが現状です。

自分のクラスは大丈夫と思わず、学級崩壊を防ぐ手立てを講じていきましょう。

学級崩壊を防ぐ手立ての一つとして、「しっかりとした授業をする」ことが挙げられます。

 

今回は、前回から始まった「有田和正先生に学ぶ」シリーズの2回目です。

有田先生は授業における「笑い」を大切にされていると前回、話をしました。

では、実際、授業中、どのように「笑い」を活用するのか。

有田先生の鉄板手法の一つに、「とぼける」があります。

 

小学校で教える内容は、大人にとってはほとんどが当たり前のことです。教科書を読んで終わり・・・なんて授業をされる先生も、現実にはいらっしゃいます。

でも、それでは子どもたちはたいくつだし、鍛えられることはありません。

「こんなことは当たり前。よくわかっているだろう。」と思える内容ほど、「とぼける」のです。

では、教師が「とぼける」と、どんなよいことがあるのでしょうか。

 

(1)  子どもからのツッコミがおこり、笑いが起こる。

(2)  先生に教えようと、子どもたちがいろいろと考える。

(3)  知識が定着する。

主に、この3つです。

 

(1)一番よく使うのが、漢字です。新出漢字ではなく、教科書に出てくる既習の漢字で行うのがベストです。新出漢字だと、その漢字を知らない子もいて、ツッコメないからです。例えば、「人間」を「にんげん」と読まずに、「にんま」と子どもたちの前で読みます。すると、子どもたちから「先生!ちがうよ!なんでだよ!」とツッコミが起きます。そして、笑いもおきます。その笑いは「教師」に向かってなので、子どもたちは傷つきません。また、漢字が苦手な子は少しホッとするでしょうね。

教師は、ひたすら「ええっ??そうなの?」と「とぼける」ことを続けます。

 

(2)すると、きちんとした答えを先生に教えようと、子どもたちは一生懸命になります。こぞって発表するでしょう。そうすることで、子どもたちは自分から考え出します。そして、次の問題を教師が「とぼける」ことで、子どもたちは協力し合って、正しい答えを導き出すのです。

 

(3)今まであいまいだったことも、教師の「とぼけ」に反応することで、確実な知識として定着します。教師の「とぼけ」に反応する時には、口々に正しい答えを言うため、正しい答えに自信のない子でも、「あっ・・・そうだったんだ・・・。」とこっそり正解を知ることができますね。そのような繰り返しで、知識を定着していきます。

 

次回は、「課題」や「めあて」をもたせる時の「とぼける」についてお話します。
また、余談ですが、次々回ぐらいに、「白黒グレイ理論」についてお話できたらと思います。
一体何なんだろうと気になると思いますが、「白黒グレイ理論」は、生徒指導や子どもたちへの対応の時の理論です。

それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

同じテーマの執筆者

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop