伝えたいことがたくさんあります。
みなさん、お久しぶりです。滋賀学園の安居です!
・・・とはいうものの、ご存じいただいている方はほとんどおられないでしょうね。
私は2009年4月から2012年3月まで、70回にわたり「つれづれ日誌」を書かせていただいておりました。ちょうど中高一貫中学校の教務部長だった2年間と中学・高等学校の入試広報部長の1年目の3年間で、学校改革プロジェクトを推し進めていた時期と重なり、自分の思いをストレートにぶつける形の投稿が多かったように思います。
その後、入試広報部長の2年目を迎え、学園法人本部の総合企画部長を兼務することが決まり、継続した投稿が難しくなるとの理由で、2012年4月からいったん退かせていただきました。
機会があれば復帰したいと思いながら、2013年4月にいきなり高校の校長を命じられ、今年度(2015年4月)からは中学の校長も兼務することになり、ますます忙しくなってしまいました。
その一方で、学校を引っ張っていく立場として、昨今のグローバル化やICT導入をはじめ、21世紀型教育への転換をリアルに進めていくなかで、この現状をみなさんにお伝えすることの必要性を改めて感じ、今回の再登板を決めました。
強い危機感を持ち、学校を変えていかなければならないと思っています。
教育改革なんていうコトバがあちこちで見聞きされるようになって、それなりの時間が経過しています。にもかかわらず、トピック的な事例はあるにせよ、大きな体制的変革として具体的な動きは見えてきません。
それに異を唱えるかのように、このところ、学校など「教育」を取り巻く状況が、関係者だけでなく一般市民の声として、急速かつ大きく変化してきていることを強く感じます。
私自身、企業や行政、地域、NPOなど、さまざまな団体の方々とお話しさせていただく機会がけっこうあります、また、大学生はじめ、つい最近まで初等中等教育を受ける立場だった若者との意見交換も、日常的にさせていただいています。
そんな中で、そういった「教育」を取り巻く危機的状況を叫ぶ声が、顕在化してきました。
どう考えても、このままでは無理・・・。構造的、システム的に限界を超え、その機能を十分に発揮できるどころか、むしろ阻害するような状況に陥っている・・・。
そんな違和感が大きな危機感となって、警告を発しています。
ところが、まだまだ現状維持を最優先に、旧態然としたカタチが続くと思っている関係者が多いのも事実です。気づいているのか、いないのか、そんなことはどこ吹く風・・・。現状から学び、自分を変えようという意識がほとんど見受けられません。
文部科学省はじめ国を挙げて、高度経済成長期にスタンダードであった「教育」は、ハード、ソフトともに大胆に見直し、改善していかなければならない、と言っているにも関わらず・・・です。
ITを筆頭とした教育環境の大きな進化で、今まで人間が行っていた業務をコンピュータが肩代わりする場面が日常化し、その広がりが仕事の概念を大きく変えつつある今、子どもたちを育てる立場にある教師が、そんな「現状維持」状態で職務を全うできるわけがありません。
新しい環境に身を置き、貪欲に学び、人間としての資質を高め、自己革新を図れないのであれば、もはや「退場」を余儀なくされても仕方がない・・・。だって、従来のままでは、子どもたちに必要なチカラを育てきれないから・・・。
そういった意識をどこまで自分事として考えられるかが、大きな分かれ道です。2020年、2030年・・・。節目となる時期まで、どれだけ時間的余裕があるでしょう。強い危機感を持ち、学校を変えていかなければならないと思っています。
改めて自己紹介を。
具体的な話は次回から綴らせていただくとして、少し自己紹介をしておきます。
1959年生まれ、滋賀県彦根市出身。小学校時代の恩師に憧れ、教員をめざしました。
1982年、滋賀女子高等学校(現・滋賀短期大学付属高等学校)に赴任。理科・数学・総合を担当。担任時代には、日刊学級通信の発行や生徒との個人ノートのやりとりなど、自立に向けた心の教育などを積極的に行いました。その傍ら、海外留学制度を立ち上げ、オーストラリアに姉妹校をつくるなど、教育のグローバル化を推進したのも良き思い出です。
2002年、20年間の教員生活に区切りをつけ、彦根市に県内初のコミュニティFM局を設立しました。番組制作やDJ、パソコンサポート事業などで幅広く経験を積みながら、さらに東近江市にもコミュニティFM局を開局、地域の活性化と連携を模索しました。
同時に、個人事業で行っていたオンサイト・パソコンサポートにおいて、インターネット接続設定やPC・サーバー環境構築、ウィルス対策など、近畿圏のクライアントを訪問して高い評価を得ました。この経験がかなりの部分、今の毎日に活きているような気がします。
2006年、理科・数学科教員として滋賀学園中学・高等学校に奉職。中高一貫担任、高校学年主任、中学教務部長、中高入試広報部長、法人総合企画部長を経て、2013年より高等学校長に就任しました。
2014年、中学で「Project-based English Program」(プロジェクト発信型英語プログラム)を立ち上げ、校長自ら授業を担当。また、日本ヒューレット・パッカードの最終審査プレゼンテーションで金賞に輝き、「ゴールド公式認定アンバサダー」になりました。それを受けて、企業×学校をテーマにICT教育の新しいスタイルを構築すべく研究をスタートさせました。
2015年、高等学校に加え、中学校長を兼務。21世紀型教育のひとつのスタイルとして、高校版PBL×ICT教育「Shiga-gakuen Future Leadership Program」を推進しています。
どうぞよろしくお願いいたします!

安居 長敏(やすい ながとし)
滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
