よく「インプット」と「アウトプット」という話をします。
授業で講義を聴く、単語を覚えるなどの行為は知識等を「インプット」する作業であり、「インプット」はとても大事だけど、それだけでは不十分で「アウトプット」する必要がある。
「アウトプット」は、講義を聴いた問題の類題を解いてみる、覚えた単語をテストしてみるなどの行為で、それが将来的にはコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力につながるという話です。加えて言えば、授業中の発問は原則全体に問う形で行うので、発問の答えも「アウトプット」なので、それも含めて積極的に授業に参加しなさいと言います。
そうやって、生徒に「インプット」と「アウトプット」を要求しているので、自分もそうしなければと常々考えています。
この数ヶ月、様々な講演会やセミナーに参加してキャリア教育やアクティブラーニングについて学んできました。そのようにして学んできたことを、勤務校の数学科の先生方に「アウトプット」するべく、教科の研修会の時間で「アクティブラーニングについて」というプレゼンをしました。
デジタル教科書を使うために買ったiPadのプレゼンテーションソフトをはじめて使いながら、十分な時間をかけてプレゼンシートに何を表示して、何を話すのか、どう話すのか、十分準備して「アウトプット」しました。
プレゼン自体は、ギリギリ合格点といったところでしょうか。それまでアクティブラーニングについて否定的だった先生も「少しイメージできた。」と言ってくださったことは嬉しかったです。
ところが終了後、プレゼンをするにあたって直前に資料等を見ていただいた校外の先生から、以下のようなことをご指摘いただきました。
「アクティブラーニングについて伝えるなら、アクティブラーニング型授業のように、ワークショップ型の研修にすればよかったのでは?」
言われる通りです。
これに気づかされたときのショックは大きかったですね。
ただショックを受けたことと同時に「校外に仲間を」ということの重要性を改めて痛感しました。
この「校外に仲間を」とうフレーズは、産業能率大学主催の小林先生のワークショップ型研修会に参加した際に聞いたものです。詳しくは「校外にも仲間を作って呼ぼう、行こう。」だったと思います。
校外の先生に来てもらうことも行くことも、様々な問題はあるので簡単には行かないかもしれませんが、何かの研修会で隣に座った他校の先生に声をかけたりするチャンスはあるのではないでしょうか。私の場合は、幸いにもこの学びの場.comで執筆をされていた立命館宇治中学・高等学校の酒井先生とのご縁から、福岡県内の他校の尊敬する大先輩とのご縁につながり、少しずつネットワークが広がっています。本当にありがたいことです。
アクティブラーニング型授業についての「アウトプット」は、校内での授業見学会とその授業に対する研究協議、それから勤務校の職員研修日とつながっていきます。
「アウトプット」することで多くの刺激を受け、さらに授業に改善を加えていければと考えています。
何かの研修やセミナーで私を見かけた際には、ぜひお声かけください(笑)

石丸 貴史(いしまる たかふみ)
福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
