2015.07.01
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一人研究授業の仕方

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 みなさん、こんにちは。

 だんだん暑くなってきました。プール開きも終わってるのではないでしょうか。プールの授業の後の授業は、こちらもねむ~くなってしまいますよね・・・。いつも体力勝負ですが、ふだんより数倍、体力を必要とする季節です。健康管理に気をつけて頑張っていきたいですね。

 さて、授業のテンポを身に付けるシリーズ。今回は、「一人研究授業の仕方」です。これは、横浜の私の師の一人である野中信行先生が提唱されている実践です。

 研究授業と言えば、何か月も前から準備をして、何人もの先生と話し合い、指導案をつくり・・・・というものをイメージしてしまいます。もちろん、年に数回ならそのような研究授業も意味がありますが、毎月あると疲れてしまいます。手間をかけるわりには、成果は・・・ということもよくある話です。

 これから話す研究授業は、日々の普通の授業でのお話です。いわゆる日常の授業をどう改善するか・・・を目的としています。なので、無理なく毎日できるわけです。しかし、「一人」研究授業なので、それなりの工夫が必要になります。

 まず、少々費用がかかってしまいますが、次のような道具の用意をおすすめします。

教科書をB5サイズにコピーしたファイル

 私は教科書をもって帰らずに、B5サイズにコピーをして、一つのファイルにまとめています。全教科を一つのファイルにしています。理由は、手軽だからです。毎朝、5時から教材研究をしています。毎日教科書を持って帰るわけにはいけません。なので、教科書のコピーに赤で発問を書いたり、板書計画を書いたりしています。このファイルさえあれば、電車やバスの中、カフェでも手軽にできます。常に教材研究ができるようにしておくのです。

 デジタルカメラで様子や板書、教材を

 デジタルカメラをいつも肌身離さずもっています。授業中の様子や板書を撮影することで、反省にも生かせます。また、子どもたちの作品を撮影することで、家で評価もできます。実物をもっていくことが難しい教材も撮影して提示できますね。動画も撮影できるので、授業の様子も撮影し、反省に生かすことができます。

ボイスレコーダーで授業を録音

 ボイスレコーダーで、自分の授業を録音しています。毎回録音していては大変なので、だいたい1日に1回、これだと思った授業を最初から最後まで録音しています。そして、家で聞き返して、無駄な発問がなかったか、無駄な話がなかったか、テンポがよいかどうか、改善点を自分で考えていきます。誰も聞いていないので気が楽かと思いがちですが、かなり、苦しいです。自分のふがいなさがあらわになりますが、最後まで頑張って聞くことで、何かが見えてくるはずですね。

 毎日やることは大変です。私も、一週間に2、3回です。一か月に1回でも大丈夫です。とにかくしてみることで、少しずつ授業が改善されていきます。

 これが、一人研究授業の中心です。

 手帳をフルに利用する

 何でも書ける手帳をお持ちでしょうか?教師には教務必携がありますから、特別に、もう1冊もってらっしゃる方はいらっしゃらないかもしれません。

 しかし、私はコンパクトな手帳を1つ持っています。備忘録にもなっています。スケジュール帳にもなっています。そして、セミナーで学んだこと、出張先で学んだこと、思いついたアイデア、計画などなど、なんでもそこに書くようにしています。

 これは、私的な感覚ですが、分野によってノートを分けてメモったり、まとめることが、私は苦手です。なので、最低限の種類別の分け方です。私の場合・・・

授業ファイル 

教務必携

手帳

配られたプリントのみを入れるファイル

のみです。

 授業を考える時、この手帳をペラペラと眺めることもよくあります。

 

 今回は、一人研究授業について、「道具を揃える」ことについて話をしました。次回は、どのようにして録音した自分の授業を聞いて反省をし、生かすのかについてお話をしようと思います。

 何かを極めようとするときに、まず環境を整えるということがあります。環境の一つが道具ですね。ボイスレコーダーやデジカメは、スマホでも代用できますね。これは!!と思ったものは、少しでもまねをしてみてくださいね。それが、授業上達への近道です。

 それでは。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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