2015.06.12
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授業の「テンポ」を身に付ける方法

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

 みなさん、こんにちは。

 水泳の季節になりましたね。水泳の授業は、安全性も確保しないといけないため、学年団や学校の先生方全体の協力体制が必要ですね。大変かもしれませんが、子どもたちの安全で楽しい水泳学習のためにがんばりましょう。ちなみに、安全で楽しい水泳学習については、明治図書「楽しい体育の授業 2015年 6月号」にて書かせていただいていますので、ぜひご一読くださいね。

 さて、前回から始まった「授業のテンポ」シリーズ。授業にテンポは大切だと多くの先生がおっしゃられていますが、具体的に述べた本やセミナーは少ないのではないかと思います。私自身も、まだまだ修行中の身ですが、経験から分かったことをここで述べさせていただけたらと思っております。

 今回は、授業の「テンポ」を身に付ける方法です。

 有田先生や野口先生、岩下先生などの授業名人の先生方がいつもおっしゃられることなのですが、授業のテンポを身に付けることに近道はありません。すぐに身に付くものではないからです。私もまだまだですが、ようやくここ2,3年、「松森先生の授業はテンポがあって飽きない。」と参観した方々に教えていただくことが増えてきました。

大切なのは、テンポを意識した日々授業

 研究授業があるから・・・、誰かが参観に来るから・・・という時にだけ、テンポを意識していては、授業は上達しません。

 「常在戦場」の意識で、子どもに接する全ての時が修行だと思うことが大切です。

 目の前の子どもたちに、いかに分かりやすく、楽しく伝えるか。叱る時なら、叱られてよかったと思える伝え方をするのか、ということを我々が意識することです。

 「帰りの用意をしましょう。」「水筒を取りにいきましょう。」など簡単な指示を出す時もあるでしょう。そのような時も、ただ単に指示を出すのではなく、その時における最高のベストな指示の出し方を瞬時に考えて指示を出すことが必要です。

 その繰り返しで、指示の出し方が上達し、テンポを身に付けることができます。テンポが悪いと、明らかに子どもたちの表情が曇ります。この子どもたちの表情を読み取ること必要です。子どもたちの表情も細かく観察するようにしておきましょう。

先輩の授業を参観する

  一年目、先輩の授業は参観したものの、「すごい授業」としか感想がもてませんでした。テンポなどを意識していなかったからです。二年目、正式採用になり、初任者研修で先輩の授業を何回も参観しました。その時、一人の女性の先輩の授業のテンポに驚かされました。先生の一言で、子どもたちがどんどん発言する。活発で、しかし、集中するところは集中している。圧倒されました。今でも、その先輩の授業のイメージが私の中にあります。まだまだですが・・・。

 つまり、良い授業をたくさん参観しようということです。よいモデルを知らないと、どこをゴールにしていいのか分かりません。

 時間がないかもしれませんが、一時間まるまるでなくてもよいので、お願いをして参観をすることが大切です。

 私は体育主任一年目。体育の授業もうまくなりたくて、先輩の授業をよく参観しました。しかし、なかなか厳しい先輩で、授業の後には、いろいろ質問をされ、答えられないとよく叱ってくださっていました。叱られるのが嫌で(笑)、よくトイレからこっそり参観していたのを思い出します(笑)。あと、いい加減な授業をして、後からすごく叱られたこともあります。

 そのような先輩方がいてくださったからこそ、今があるのではないかと思います。

 次回は、「一人研究授業の仕方」を紹介します。

 それでは。

PS 今、プロ野球パリーグの日本ハムファイターズで活躍している「岡大海」選手は私の教え子です。一緒によく遊んだし、陸上運動を朝早くから夕方まで、一緒に頑張っていました。県大会にも出場し、泣いたり笑ったりの毎日でした。4年生の時に、担任もしました。夢をかなえた教え子を誇りに思います。皆さん、岡大海(おか ひろみ)応援してあげてくださいね。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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