2015.05.25
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

部活動について生徒はどう考えているか

福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任 石丸 貴史

  最近、部活動顧問の勤務実態がよく話題になっています。

私自身も高校現場で、陸上競技部の顧問をしています。そこで本日は勤務校で担任クラスの生徒に聞いた、「部活動について生徒はどう考えているか」ということについて検証してみたいと思います。

 

 

 前提として、私自身が陸上競技部の顧問をしていると書きましたが、顧問としての業務について私はとても恵まれていると思います。

 なぜなら、まず私自身が大学まで陸上競技をしていました。したがって未知の競技について指導しなければいけないのではなく、自身の知識や体験がフル活用できるので、指導はしやすいということです。

 また、昨年度から私自身が陸上競技連盟にマスターズ選手登録をして、数回競技会に出場したこともあり、共に競技をしながら指導することができることもあります。

 次に、部には私を含めて3人の顧問がおり、全体の責任者である先輩顧問、私、主としてメンタルケアをする後輩顧問がいます。3人とも陸上競技経験があり、よくコミュニケーションも取れており、役割分担も出来ているため他の校務で部活にいけないこともしばしばありますが、助け合ってできています。

 さらに、部は原則日曜日をオフとしているため、大会等があるときは別として、日曜日はオフとして過ごすことができます。

 したがって、私は顧問としての業務について、恵まれていると思います。他の部や他校、他の校種ではそうはいかないところは多くあるので、今回の話はあくまでも私の周辺と私自身の狭い範囲の話です。

 

 これを踏まえて、生徒に以下の3点のアンケートを取りました。

「部活動は何のためにやっている?」

「部活動をやることのメリットは何?」

「部活動をやることのデメリットは何?」

です。

 

 まず、1つ目の「部活動は何のためにやっている?」についてですが、生徒のコメントの一部を以下に列挙します。

運動能力を上げるため、何かをがんばるため、いろいろな経験をするため、自分の好きなことをするため、先輩や顧問の先生など目上の人への言葉遣いや対応を学ぶため、いろいろな面において強くなるため、仲間と共にひとつのものを目指してがんばるのが楽しいから、自分が成長するため、リフレッシュのため、社会の一員となるための準備など様々です。

 総じて部活動をやっている生徒は、そこに何かの目標・目的や、やりがいを感じている様子がうかがえました。また古典的伝統的発想かもしれませんが、「先輩や顧問など目上の人との応対方法など身につけることができるため」という種の意見も予想より多くありました。

 

 次に、2つ目の「部活動をやることのメリットは何?」についてですが、これも生徒のコメントの一部を以下に列挙します。

社会性が育つ、別の学年やクラスの人と交流できる、集中力がつく、部活動でしか学べないことがあるから、たくさんの経験ができる、技術的にも精神的にも強くなれる、楽しい、目標があるため毎日をがんばれる、勝つ喜びがわかる、つらくてもあきらめず何回でもチャレンジする気持ちがつく、人として成長できる、視野が広がる、コミュニケーション能力がつく、社会に出るときに多少有利などこれも様々です。

 

 3つ目の「部活動をやることのデメリットは何?」については、生徒のコメントは勉強との両立が難しい、個人の時間がなくなるという趣旨のことに集中していました。

 

 これらから、少なくとも私の周辺の狭い範囲ででは、生徒は予想以上に部活動において「社会性」に関して得られるものがあると感じて日々の活動に取り組んでいると感じられました。

 高等学校は大学進学のための予備校ではなく、社会に出るための最終準備段階として教科のことだけでなくだけではなく多くのことを「学び」、人間力を高めて欲しいと考えています。

そのために部活動は大きな役割を担っている面もあると感じました。

 実際、先日行われたインターハイ予選では週末だったこともあり、多くのOB・OGが後輩の応援に駆けつけてくれました。その様な場面を目の当たりにしその卒業生たちとコミュニケーションを取っていると、生徒は部活動を通していろいろなことを身につけていると思います。

 

 だからと言って、最近話題になっている部活動顧問の勤務実態等諸問題を全て容認しなければいけないとも思いませんし、競技性等によっては外部団体や地域の協力が必要ですし、顧問の協力体制や学校のフォローなど解決すべき諸問題は多くあります。

石丸 貴史(いしまる たかふみ)

福岡工業大学附属城東高等学校 教務主任
高校での新学習指導要領導入を控えて、「カリキュラムマネジメント」・「I C T活用」を中心に、日々の授業改善に取り組んでいます。大学を卒業後すぐに会社員として塾・予備校業界で勤務をした経験も活かしながら、社会で活躍できる生徒を育てるべくどのような資質・能力を育成すれば良いかを試行錯誤しています。

同じテーマの執筆者
  • 樋口 万太郎

    京都教育大学付属桃山小学校

  • 郡司 竜平

    北海道札幌養護学校 教諭

  • 中原 正治

    元徳島県立新野高等学校 教諭

  • 鷺嶋 優一

    栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭

  • 藤田 孝介

    横浜市立入船小学校 教諭

  • 中川 宣子

    京都教育大学附属特別支援学校 特別支援教育士・臨床発達心理士・特別支援ICT研究会

  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

  • 大吉 慎太郎

    大阪市立放出小学校 教諭

  • 清水 智

    長野県公立小学校非常勤講師

  • 齋藤 大樹

    浦安市立美浜北小学校 教諭

  • 宮澤 大陸

    東京都東大和市立第八小学校

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop