2013.03.19
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卒業の実感

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 今年度も卒業のシーズンを迎え、各地各学校から感動的なニュースが届くようになりました。私はこれまで11の小中学校に勤務してきましたので、毎年、様々な卒業式を体験してきました。

 その多くは、卒業生を送る側として、いかに意義のある卒業式にするかを考えてきました。
 最近は、卒業式は「卒業証書授与式」だということを強く意識し、担任した子どもたちとその意識を共有することを第一に指導しています。つまり、6年間の初等教育を修了したことを証明する証書を頂く、小学校では最も大切で厳粛な儀式だということです。そして同時に、他人事でなく自分事としての卒業式にして、参加した誰もが成長する卒業式をめざしてきました。

 今年は私自身、ある意味で「本当の卒業式を実感」することになります。それは、自分の2人の子どもが、それぞれ小学校と中学校を卒業するからです。

 上の子が小学校に入学してから9年。その子とともに、私もいろいろ勉強して成長しました。それまでは、担任・担当する子どもたちに対して、教師としての見方しかできませんでした。保護者に対しても、小学生の親の気持ちを知っているつもりの対応しかできませんでした。仕方のないことですが・・。
 しかし、実際に自分が小学生をもつ親となることで、保護者としての思いや願いをもつことになりました。また、一保護者として、授業参観や運動会などの学校行事に参加することになり、保護者の立場が分かってきました。
 こうして、これまでとは反対の立場に実際に立つことにより、「教師の視点」とともに「保護者の視点」をもつことができるようになりました。また、自分の子どもの学習と自分の仕事を比べながら、足りないところを見つけて、補完するようにもなりました。

 そして、上の子どもが中学校に入学してからは、今時の中学校や中学生の在り方を知り、小学校教育のあるべき姿を一層考えるようになりました。
 こうしたことは、本当にありがたいことで、教師としても人間としても成長することができたと思っています。

 今年は下の子が小学校を卒業します。それはつまり、小学校の子どもをもつ保護者・教師という貴重な期間が終わることになります。何か、すごくさびしい気がしています。
 この9年間は、自分の子と担任・担当した子どもの見方が本当に大きく変わりました。それは、『まるごと教育』の実践を始めた時期と重なるのです。
 それまでの経験だけに頼り、知っているつもりの教育から、「子どもを育てる」ことを第一にした教育=『まるごと教育』の始点になっているからです。

 2013年3月14日に中学校の卒業式がありました。3月22日には小学校の卒業式があります。
 この3月は、いろいろな卒業をされる方がいると思います。卒業は新たな自分を見つけ、大きく成長するチャンスだと思っています。私もそうであるように、自分を前に進めたいと考えています。

 面と向かっては言えませんが、自分の子どもに「ありがとう」と感謝の言葉を贈りたいです。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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