2013.02.12
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学級通信で保護者の声を

米子市立福米東小学校 教諭 西村 健吾

  

 

 1月はあっという間に「行って」しまいました。うかうかしていると,2月も気がついたら「逃げて」いきそうです。現任校では,6年生を担任している私。卒業まで25日あまりとなりました。巣立ちの瞬間を控えた,82名の子ども達と,「立つ鳥跡を濁さず」の精神で,一日一日を,大切に過ごしていきたいと思っているところです。

  

 12.保護者の声を

 さて,今回は,学級通信に保護者の声を掲載した例をご紹介いたします。

 保護者の声を学級通信に掲載する意義は,改めて言うまでもないかもしれませんが,

(1)学級通信が双方向メディアとなり,保護者に,より「自分たちのもの」として読んでいただける。

(2)自分たちのお父さん,お母さんの考えに触れることで,(1)のねらい同様,子ども達も読む意欲が高まる。

(3)学級通信を介して,学校と家庭,親と子どものコミュニケーションが促進される。

(4)学校と家庭の信頼関係が強まる。

(5)時に見られる教育論などは,担任が語るよりも,説得力があり,且つ角が立たない。

…といったところでしょうか。

 

 

 しかし,このような保護者の声を学級通信に掲載するにあたって,困ることがあります。それは…,

(1)なかなか保護者からの声が寄せられない。

(2)何もしない中では,寄せられた声も掲載しづらい。(担任にとっても,おそらく掲載される保護者にとっても,掲載しても違和感・抵抗感のない大義名分がほしい。)

ということです。

 

 

 そこで,私は,以下のような手順を取って,保護者に声を寄せていただき,通信掲載へつないでいます。

(1)「家庭版***」(*は学級通信のタイトル)と称して,保護者回覧ノートを作成する。

(2)以下のようなお願い文を学級通信に掲載して,保護者回覧ノートを回す。

 

 この度,「【家庭版】雨にもまけず 風にもまけず」を始めることにいたしました。

 それは何かと言いますと…,要するに,家庭相互と担任の井戸端会議的ノートです。学校のこと・お子さんのこと・身のまわりのこと・社会のこと・趣味のこと等々,なんでもOKですのでお気軽にお書きください。

 *記名・無記名どちらでも可。

 *量の多少は問いません。

 *パスもOKです。(次の人に回しますのでお子さんを通じて学校にお返し下さい。)

 *順番はこちらで適当にまわします。

 ※文字として残り,他の方の目に触れますので,残ると困る内容はお控えください。

 そのうちノートが回ってきます。来たら,「あぁ,これか。」と思って一言書いて(またはパスして)お子さんに持たせてください。学校に届き次第,次の方に渡します。【担任 ⇄ お子さん ⇄ ご家庭】の流れです。

 子どもも保護者の方も,本当に忙しい毎日を送っておられる中,懇談等で一堂に会してお話しする機会が減ってきています。「少しでも保護者の方同士の情報交換と親睦の場となれば…」といった趣旨ですので,どうぞお気軽に…。

 尚,寄せられた文の中から,たまに学級通信に掲載させていただく場合がございます。その際は,掲載のお願いを改めていたします。快く承諾していただけると喜びます。(「お気軽に…」なんて言っておきながら…,ごめんなさい…。)

 

(3)寄せられた声の中から,子ども達の様子,時期等を見計らって,適時性のある内容を選び,学級通信に掲載することを,該当の保護者に伝え,掲載許可をもらう。

(4)学級通信に掲載し,配布する。掲載させていただいた保護者には,お礼の一言を連絡帳等で伝える。(通信の文面に添えてもよい。)

 

 

 それでは,前置きが大変長くなりましたが,以上のような手順に添って寄せていただいた保護者の声を掲載した学級通信文例を,以下にご紹介いたします。  

 

 

実例26.あいさつができる子は…

「差別をなくすために,まずは身近なことから…。あいさつもその一つ。」

 今週月曜日,ゲストティーチャーとして子ども達に お話をしてくださった米子市人権政策課の****さんは,こうおっしゃいました。また,昨日は,**先生からも同様の話があったようです。(担任は出張でした…。)ちょうど,担任もあいさつの大切さについて***君のお父さんが「Jigsaw Club(回覧ノート)」に書いておられたものを紹介しようと思っていた折でした。

 今号では,**君のお父さんの許可を得て,全文を掲載させていただきます。(**君のお父さん,掲載を許可していただき,ありがとうございました。)皆様,是非ご一読のほどを。

 

* * *

 

 ***の父です。何を書こうか迷っているうちに1週間近く経ちました。昨日寝る前に書き始めたんですが,朝読み返してみると,あまりの詩的な文章に思わず赤面。やり直しです。

 

 *といえば思い浮かぶのは野球の事ばかりです。3年生から始めて約4年。特にこの2年間はプライベートを含めて野球づくめだった気がします。

 

 *が4年生ぐらいの頃ですが,監督と地域の方々と何かの打ち上げで飲んでいる時に,「最近の野球部の子はあいさつができない。」と言われました。それからです。**野球部の方針「誰にでもあいさつしよう!」が生まれたのは。「え?当たり前のことでしょう。何も方針にしなくても。」と思いました。ところが,方針と言うからにはさせなきゃいけません。6年生の保護者全員で「こんにちは~。」「ほらあいさつは!?」グラウンドのあちこちでこんな声が聞こえました。ほどなく,子ども達は誰に言われることなく「こんにちは~。」と言えるようになりました。新団員の低学年の子ども達も最初は恥ずかしがってますが,そのうちに「こんにちは。」と言えるようになります。今では,「こんにちは。顔色悪いですよ。飲み過ぎですか?」なんて子どもに気をつかってもらってます。

 

 ところが,大人の中にも,その日の気分であいさつできない方もいます。そんな時子どもは,「こんにちは。」と適当にあいさつして行ってしまいます。「ん?最近の子どもはあいさつできない?」「否!最近の大人はあいさつできない!」じゃないのかなと思うようになりました。自分自身,仕事などで,「あ~,この人には…」って時は気づかないふりをしてあいさつをせずにやり過ごす事がよくあったと思います。勇気を出して自分からあいさつをするようにしました。変わりました。相手の悪いところ,自分の失敗など,ウジウジ考えてばかりいましたが,前より物事を前向きに考えられるようになった気がします。「誰にでもあいさつしよう」素晴らしいと思います。みなさんもやってみませんか?

 

 最後に健吾先生,この前の学年行事では飲めなかったですが,*が卒業するまでに必ずやりましょう! 

 

 

 この後,我がクラスの子ども達のあいさつの声が,一際大きくなったことは,言うまでもありません。

 現在,お子さんが中学校3年生になるこのお父さんとは,その後,卒業前と,卒業後,数回にわたって,その他の親御さんと一緒に,ずいぶんとお酒を酌み交わしました。その都度,この学級通信のことが話題に上り,嬉しそうに語るお父さんの表情が,今も印象に残っています。

 

 子ども達同士,親同士はもちろん,学校と家庭とのつながりをより強固なものにし,教育効果を上げる。その一つのツールとして,学級通信をこれからも活用していきたいものです。 

西村 健吾(にしむら けんご)

米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。

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  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

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