2013.01.24
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学級通信で教師の思いや指導方針を!~引き継ぎの極意~

米子市立福米東小学校 教諭 西村 健吾

  

 

 ついこの前,新年を迎えたと思いきや,「1月」があっという間に行ってしまいそうです。 すぐにやって来て,そして逃げて行くであろう「2月」は,縦割り活動,委員会活動,学校行事の企画・運営…等々,5年生から6年生へと,学校の舵取りの役割を引き継ぐ大切な時期です。

 

 昨年度5年生を担任していた私は,昨年の同時期,本サイトにて,「6年生から最高学年のバトンを引き継ぐ」という意識と意欲の醸成をねらった通信例をご紹介しました。↓

 「学級通信で教師の思いや指導方針を!」(2012/2/27公開分)

 

 面白いもので,今年は6年生を担任しているため,今度は,「5年生へ最高学年のバトンを託す」という意識と意欲の醸成をねらった通信例を以下にご紹介いたします。 

 併せてお読みいただくと,?高学年のこの時期の様子が,一つのユニットとしてお分かりいただけるのではないかと思います。お時間があるときにでも,是非!

 

実例25.引き継ぎの極意 ~バトンはもらうことより,渡すことの方が難しい!?~

 

 現在6年生の子ども達は,「生まれて初めて」と言ってもよい「後輩に引き継ぐ」という経験をしております。

 

 学校や社会の中で,このように何かの役職の引き継ぎを行うことは,大人から見れば日常的な出来事です。子ども達も,これからの人生で何度も何度も経験していくことでしょう。しかし,一般的に見て,それがどれだけの重要な意味を持つかということを認識することなしに,あっさりと引き継ぎが行われる日常ではないでしょうか。

 

 「何かを引き継ぐ」ということは,並大抵のことではありません。とりわけ,バトンを渡す側の方がもらう側よりも大変です。(と思ってます。)

 

(1)まず,引き継ぎを行っている際の中途半端な状態をがまんするのが大変です。間違いなく,はじめは自分がやった方が満足のいく仕事ができることが多いはずです。

(2)また,引き継ごうとしている相手よりも,自分がやった方が絶対に楽仕事も間違いなく早いはずです。

(3)さらに,引き継いだ相手の評価は,前任者の評価に変換されることもしばしば…。「現任者ができないのは,前任者がちゃんと引き継いでいないから。」

と…。

 

 では,どのように引き継いでいけば良いのでしょうか…。

 
【第一段階 言って聞かせる】 

 まずは,仕事の内容や手順などを説明すること。

 ただし,人に伝えるからには,それなりの準備が必要。初めてやる相手の立場に立って,事細かくシミュレーションしていくことで,今までリーダーとして気づかなかった面にも気づき,リーダーとしての自分ももう一段階レベルアップ!

 
【第二段階 やってみせる(背中で教える)】 

 次に必要なことは,やはり実演。口でえらそうなことばかり言っていたってダメですから…。ここでできるだけ最高級のパフォーマンスを行い,説得力を増したいところです。ただ,あからさまにするよりも,背中で教える方が高等技術。しかも効果絶大!?

 
【第三段階 一緒にやる】

 ここまでくれば後は任せてしまいたくなりますが,時期尚早。一緒に取り組み,一緒な壁にぶつかり,一緒に悩み,解決していく過程を一緒に経験することが大切!

 
【最終段階 任せ,褒める】 

 最後は,勇気をもって任せてみる!(大きな勇気と,強い決断をもって『よし,任せた。』と言うのです。)しかし,任せてしまった後,ほったらかしてもダメです。肝心なのは,「手をかけず,目をかける」こと。子育ての極意と同じですね。しかし,これが子育て同様なかなか難しい…。過干渉・過保護になりすぎず,かといって放任しすぎず,ほどよい距離とお母さんのような温かいまなざしで,後輩の成長を見守ることが大切です。もちろん,うまくできたとき,成果が上がったときに,ずばっと褒め言葉をかけることを忘れてはいけませんね。

 

 子ども達のリーダー業の総仕上げである「引き継ぎ」の様子を,どうぞご家庭でも話題の一つに…。(子ども達の愚痴を,是非聞いてやってください。)

 

 

 

やってみせ 言って聞かせて させてみて 褒めてやらねば 人は動かじ

(感情にまかせてものを教えこもうとしても無駄。ああせよ,こうせよと叱咤するだけでは人は動かせない。) 

話し合い 耳を傾け 承認し 任せてやらねば 人は育たず

(相手の言葉に耳を傾け,そして認めてやり,仕事を任せてやらなければ人材は育たない。) 

やっている姿を 感謝で見守って 信頼せねば 人は実らず

(部下に仕事を任せたならば,感謝し,信じてやらなければ,相手も自分を信頼しないし,結局信頼できる人材も育たない。) 

 

 

 ご存知のように,太平洋戦争時の連合艦隊司令長官・山本五十六の格言です。この格言,部下を持つ管理者の方や,子育て中のお母さんなどに人気がある有名な言葉です。

 上の学級通信の記事は,数年前に,私自身のそれまでの経験をもとに作成したものでしたが,後に,(遅ればせながら)この格言を知り,我が意を得たような気になりましたので,併せて掲載しておきます。  

 要するに,人を動かすには,相手の心を動かすことが最も重要であるということです。相手の心を動かすためには,我が身を犠牲にし,我慢し,協働し,細かく看取り,がんばりを賞賛していくことが大切です。

 

 さて,いつものことですが,やはり,このことは教師自身にもそのまま当てはまります。子ども達の心を動かすことができるよう,私自身も精進あるのみです。 

西村 健吾(にしむら けんご)

米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。

同じテーマの執筆者
  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

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