みなさんこんにちわ。
今年も終わりです。
みなさんにとってどんな1年だったでしょうか?
きちんと新しい年の目標をたてたいものですね。
今回は「楽しみながら鍛える~算数編~」です。
算数は学力の個人差が大きくて
教員泣かせの教科ですね。
私も悩み中です。
算数は教具の工夫がしやすい教科です。
小数の導入ならば、ペットボトルにジュースを入れて興味を引きつけます。
分数も導入ならば、ケーキをカットして導入をしますよね。
しかし、それで満足している場合がほとんどです。
算数はやはり、圧倒的な練習量と質の高い話し合い活動がポイントだと思っています。
算数の主な活動の1つに「問題解決学習」があります。
思考力を鍛えるよい学習方法だと思います。
しかし、そればかりしていませんか?
問題解決学習をする必要がないところでもしていませんか?
私の場合、1単元につき、問題解決学習は1回ぐらいです。しかも、ちょっとアプローチの仕方が変わっている場合もあります。
まず教えるべきところはきちんと教えてしまいまいしょう。
子どもたちは教科書をもっています。
そして家でも読んでいる子が多いのです。
そんな子どもたちに対して「○○はどんな計算になるのか、みんなで考えよう。」と投げかけるのは時間の無駄です。
「○○の計算の仕方を考えよう」とめあてを立てたところで、子どもたちは「知っているよ!!そんなの!!」と思ってしまって(子どもたちは先生思いの子が多いので先生に言わない子が多いです)そこで学習活動は終わってしまいます。
では、どのようにするのか。
まず教科書を開けて問題文を読みます。
全力で教師のあとについて読ませます。
そして、教科書をふせさせます。
「何リットルの水があったのでしょう。」
「何人に分けるのでしょう。」
「何が知りたいのでしょう。」
問題文についてのクイズを出します。
答えられない子も多いはずです。
ここで、本当に読むとはということを指導します。
そして、何算になるのか体で表現します。
+-×÷を手で表現
+-×÷を顔で表現
顔で表現はほとんどおふざけです・・・。
式を確認して、教科書の問題文をもう一度一緒に読みます。
ここまでして、テストで問題文をきちんと読むということが身に付くのだと思います。
教科書の空欄に式を書き込みます
そして、ほとんどの場合、新しい計算のやり方が書かれています。
そこを一緒に音読をしながら書き込みをしていきます。
新しい計算方法を確認したら、どこの問題をするのか伝えます。
そこで、たくさんの問題をいっぺんにして、もってこさせてはいけません。
最初にもってくる問題は1問だけでよいのです。多くて2問です。基本となる問題を1、2問
どんどん○つけをしていきます。×をしても、詳しく説明してはいけません。考えさせるのです。
そして、それが終わると教科書の残りの問題とドリルの問題をします。
1時間で30~50問は解けると思います。
これが基本です。
そして、「問題解決学習」ですが・・・・
われわれはよく「考えろ」といいます。しかし、基本的な知識がないのに「考えろ」はあまりにも無責任だと思いませんか?時間の無駄です。徹底的に基本を学習してから、「考える」ことをしないといけません。
私の場合は、問題に対する答えを3つ用意しておきます。それを提示します。その中の1問は正解で2問は不正解です。その2問の不正解を「なぜ不正解なのか」を話し合うのです。これは、広島大学の前田一誠先生に教えていただいた学習方法です。
丸投げの問題解決学習よりも、答えが見えているので、安心して学習活動に取り組めるようです。おすすめです。これで、45分、話し合いが止まりません。
算数の「楽しみながら鍛える」の「楽しみながら」は、計算などがきちんとできるようになること、すらすら解けるようになること、ではないでしょうか。
「楽しみながら」は大爆笑だけとは限りません。それぞれの教科の特性の中に「楽しみながら」は存在しているのです。それをしっかりと見極めていくのも教師の力量です。
それでは、よいお年をお迎え下さい。
2013年もよろしくお願いいたします。

松森 靖行(まつもり やすゆき)
大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。
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