ボクサー坂本選手と児童養護施設訪問
11月17日土曜日、元東洋太平洋ライト級チャンピオン坂本博之選手と、函館市内の児童養護施設を訪問しました。ライト級坂本博之選手といえば、「平成のKOキング」「和製デュラン」と呼ばれ、1990年台から2000年初頭の名選手です。その熱いリングファイトに、私も当時テレビの前で手に汗を握り、応援したことを覚えています。特に同じ日本人の世界チャンピオン畑山隆則(2階級制覇)との死闘は、2000年度の年間最高試合に選ばれたほどでした。
なぜあの坂本選手が?
その坂本選手は2年前、私が現在勤務している北海道厚沢部町のPTA研修会に、講演のためやってきました。それが縁で、当時PTA事務局長O先生が交流を深めることとなります。そのO先生の計らいで、今度は同じ道南のせたな町で講演するために函館空港に降り立ったのです。
私は、養護施設訪問で中心的な活動となるボクシングセッションのお手伝いとしての参加でした。私の他には同じ学校の若手教員1名、教頭仲間のS先生、そしてO先生の4名でサポートです。また、今回坂本選手は現在ボクシングジムで育てている、若松一幸選手もいっしょに東京から連れてきました。ですから総勢6名での施設訪問となりました。
児童養護施設へ
恥ずかしながら、教育に身をおいておきながら、児童養護施設への訪問は初めてでした。私の他の3人もそうだったようです。大変緊張しました。事前に坂本選手から、養護施設での振る舞いについて気をつけることを教えてもらいました。
私達4人は、ふだんは不自由なく親元から元気に通ってくる小・中学生が相手です。泣いたり笑ったり怒ったり忙しいですが、家に帰れば親がいます。それが、今回は様々な事情を背景にもつ、子どもたち。(就学前の子から、高校生までいました)
そんな彼らに、坂本選手はパンチングミットに拳をぶつける、というボクサーならではの方法で、気持ちを通い合わせたいと考えます。施設には子どもたちがたくさんいるので、私達はそのミットで受け止めるメンバーとして協力します。
もっと強く!
坂本選手は、
「今までつらかったこと、頭にきたこと、そして今までうれしかったこと、全てを自分の拳にこめて、力いっぱいこのミットに打ち込んでこい!」
と語りかけます。私達もにわかトレーナーではありますが、子どもたちに声をかけ、その力いっぱいのパンチを受け止めました。小さい子も、高校生も、男の子も女の子も・・・。にわかトレーナーも、そこは教師魂で、子どもたちがもっともっといっぱいいっぱいパンチが繰り出せるように動き、そして励まし続けます。子どもたちが一巡、二巡し、私たちもヘトヘトになったころ坂本選手は、、、。
(つづく)

久慈 学(くじ まなぶ)
厚沢部町立厚沢部小学校 教頭
北海道で小学校教員、今年は教頭職三年目。ニューデリー日本人学校での経験を生かし、片田舎から世界を、世界から片田舎を見つめつつ発信したいと思います。
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