2012.11.30
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学級通信で教育情報の提供を!(食育編)

米子市立福米東小学校 教諭 西村 健吾

  

  先日,誠に僭越ながら,私が講師を務めさせていただいた「富山みらい教師塾・西村健吾講座」がありました。富山の,本当に温かい,素晴らしい先生方に囲まれ,合計4時間,私にとってかけがえのない時間を過ごさせていただきました。また,秋の北陸路を満喫したり,念願だった立山連峰を眺望できたりするなど,最高の3連休となりました。

 その模様を,ブログに綴っております。もしよければ,お暇な時にでも,お立ち寄りくださいませ。↓

Blog「豆腐のような教師になろう!」

 

 12.教育情報提供

 さて,以前綴った稿「学級通信で至言・名言の活用を!」において,「至言・名言」の力を借りて,子ども達や保護者に担任のメッセージを伝えることについて触れました。

 その最大のメリットは,担任が直接語るよりも,

「角が立たず,鼻につかず,説得力がある。」

ということも述べました。

 家庭に教育的な啓発を行っていくことは,家庭教育力の低下が危惧される昨今,学校における重要な役割の一つとなってきています。一方では,様々な価値観を持つ親が現れ,なかなか教師の言葉が届きにくい時勢です。

 だからこそ,伝えたい内容によっては,あえて他人の言葉を借りて,間接的に担任の思いや指導方針を伝えることが有効であるということを述べました。

 

 

 今回ご紹介する「教育情報提供」も,基本的な主張は同じです。ただし,「至言・名言」以上に,使うネタや場面がどうしても限定されてきます。そのため,教師は,普段の生活から,新聞,雑誌,インターネット等で,幅広く教育情報を収集するアンテナを持たなければなりません。そして,目についた記事,気になった記事をスクラップブック等にストックする「マメさ」も必要になってきます。(これ,簡単そうに見えて結構大変です…) 

 

 さてさて,そうして収集した教育情報を,機を見計らって学級通信に掲載した記事を今回はご紹介いたします。

※今回,その記事を本サイトに転載することは,著作権法に抵触いたします。よって,私が書く仮想記事を代用することにいたします。あしからずご承知おきください。

 

実例23.飽食時代の食育

 食欲の秋…,というわけで,今回は食育特集です。 

 先日,インターネットを見ていましたら,以下のような記事が目につきました。現代の子ども達の食生活に警鐘を鳴らし,よりよい食生活のための大切な視点が綴ってありましたので,以下にご紹介いたします。

 

* * *

 

「家庭での食生活,『コ食』になってはいませんか?」

 

 みなさん,「コ食」という言葉をご存知でしょうか?最近の食生活で問題となっている様々な「コ食」。みなさんのご家庭では当てはまっていませんか?是非チェックしてみてください。

 
(1)個食

 それぞれが別々のものを食べることです。同じ食卓についても,それぞれがバラバラのものを食べ続けていると,協調性が養われないなどの問題につながります。 

(2)孤食 

 1人で孤独に食べることです。楽しいひとときであるべき食事の時間が,孤独感や寂しさから辛いものになってしまいます。

(3)子食

 お化粧をしたり,家事をしたりするお母さんをよそに,子ども達だけで食べることです。子ども達だけで食べると,どうしても好きなものばかり食べてしまい,好き嫌いが増え,偏った食事になってしまいます。

(4)固食

 固定したもの,つまり同じものばかり食べることです。好きなものばかりを食べ続けることで,栄養のバランスが偏るだけでなく,肥満や生活習慣病を引き起こす原因にも?なりかねません。

(5)粉食

 パンや麺などの粉からつくられるものばかり食べることです。食の欧米化が進み,米の消費量は年々減少しています。やわらかいパンや麺ばかり食べ続けると,噛む力が弱くなってしまいます。

(6)濃食

 外食などに多くみられる濃い味付けのものばかり食べることです。塩分の過剰摂取の問題だけではなく,濃くなければ味を感じないなど,味覚障害を引き起こす原因につながります。

(7)小食

 食事の量が少ないことです。ダイエットのために食事の量を過剰に減らしていませんか?必要な栄養が足りず無気力になってしまい,特に成長期の子どもの発育に影響を与えてしまいます。

 

 上記の7つの「コ食」の他に,

(8)欠食

 朝食を抜かすこと。ダイエットのため,或いは忙しいため,朝食を抜くことはありませんか?朝食を抜くことは,かえって体の新陳代謝を抑制し,肥満の遠因となります。(前日の夕方から栄養を摂取する時間が空きすぎると,体が勝手に「生命の危機」と判断し,代謝を抑えるそうです。)

 

というものもあります。合わせて「ニワトリ症候群」(コケッココココココ)とも呼ばれています。

 

 さあ,皆さんの食生活に当てはまっているものはありませんか?食事は体のエネルギー源であり,心のエネルギー源でもあります。食卓は食事をする場でもあり,家族のコミュニケーションの場でもあり,マナーやしつけなどの教育の場でもあります。家族みんなの笑顔が集まる食卓で,美味しい食事ができるようにしたいものですね。 

【豆腐屋生活情報センター「食生活の危機」http://www.otouhuya.jp/(仮想サイト)より転載】 

 

* * * 

  

 子ども達に広がる「朝食を食べない」「好きなものだけ食べたい症候群」などについて,マスコミ等で大きく取り上げられて久しい昨今です。「食欲の秋」であるこの時機をとらえ,今一度,ご家庭におかれましても,子ども達の食生活について再点検してみてください。

 

 

 「食欲の秋」に限らず,「スポーツの秋」「読書の秋」「勉学の秋」など,秋は何をするのにも非常に良い季節です。

 だからこそ,教師も,単に「~の秋を満喫しよう。」とか,「~の秋だからしっかり取り組もう。」と子どもに声をかけるだけでなく,普段の子ども達の生活を再点検させたいところです。そして,学級通信等をフル活用して啓発を行い,家庭においても子ども達の取り組みをチェックしたり,家庭教育の見直しを図ってもらったりする契機としたいものですね。 

西村 健吾(にしむら けんご)

米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。

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    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
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    神奈川県公立小学校勤務

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