2012.11.12
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神在月の出会い ~つれづれ日誌のご縁で~

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

大鳥居 神楽殿 米子セミナー

 陰暦の十月のことを、神無月と言うことは知られています。これは、全国の神々が出雲の国(現在の島根県)に集まられ、他の国には神様がいなくなってしまうことからそう呼ばれています。一方、神様の集まる出雲では、神々がお集まりになられるので「神在月(または神有月)」と呼ばれています。
 なぜ出雲に、何のためにお集まりになるのでしょうか。『日本書紀』によると、大国主大神が天照御大神に「国譲り」をなさった時、「私の治めていますこの現世(うつしよ)の政事(まつりごと)は、皇孫(すめみま)あなたがお治めください。これからは、私は隠退して幽(かく)れたる神事を治めましょう。」と申された記録があります。この「幽れたる神事」とは、目には見えない縁を結ぶことであり、それを治めるということは、その「幽れたる神事」について、全国から神々をお迎えして会議をなさるのだという信仰が生まれたと考えられています。

 さて、出雲と言えば、出雲大社ですね。以前から、神話のふるさとに一度は行ってみたいと思っていました。しかし、自宅のある群馬県から遠く、もしかしたら一生行けないかもしれないと思っていました。
 ところが、10月8日に参拝することができました。その日は、前日までの荒れた天候でしたが、当日は一転して秋晴れに恵まれました。JRの出雲市駅から一畑電車に乗り換えて、出雲大社前駅へ。そこから、歩いて5分ほどで、出雲大社の正式な入口である勢溜の大鳥居に着きました(写真 左)。念願の出雲大社の参拝です。大鳥居から参道を下り、松の参道を通り、手水でお清めをして、銅鳥居をくぐり、神域に入りました。
 現在、平成の大遷宮の真っ最中で、神様は御仮殿(拝殿)に遷られています。その御仮殿で、出雲大社の作法に従って参拝しました。出雲大社では、通常の「二拝二拍手一拝」と異なり、「二拝四拍手一拝」なのです。伊勢神宮や宇佐神宮、弥彦神社などの古社でも同様の作法だそうです。いろいろないわれがあるようですが、4回手を合わせることから、「しあわせ」と単純に解釈して、「幸せ」を祈ってきました。
 参拝した御仮殿の注連縄の大きさに驚きましたが、最後に行った神楽殿の超巨大な注連縄には圧倒されました(写真 中)。何と長さ13m、太さ8m、重さ5tもあるのです。
 そんな驚きの後、近くの島根県立古代出雲歴史博物館に行きました。そこでは、銅鐸と銅矛、そして三角縁神獣鏡を見てきました。銅鐸のすばらしさが印象的でした。また、古代出雲にあったとされる超高層神殿の模型を見て、古代に夢を馳せてきました。

 ところで、私は何で、縁がないと思っていた出雲に行けたのでしょうか。それは、このつれづれ日誌(7月27日公開)でも紹介した「学級づくりパワーアップセミナー」が、鳥取・米子連続セミナーという形で行われたからでした。
 前述したように、私の住む群馬県から鳥取県までは遠く、新幹線を乗り継いで行くと8時間ほどかかります。もちろん、お金もかかりますので、一瞬、躊躇しました。しかし、米子の西村健吾先生に会いたいという思いで、鳥取行きを決意したのです。
 西村先生は、この教育つれづれ日誌の執筆者の一人です。そして、このつれづれ日誌を通じて知り合い、その日誌を読むうちに、いつかは会いたい、どうにか会いたいという気持ちが強くなってきました。しかし、群馬と鳥取は、あまりにも遠すぎます。今は、インターネットやメールで、会わなくても身近に感じることができ、情報のやりとりも簡単にできます。それでも、一度は会いたい一人でありました。
 そういう思いを持ち続けて1年ほどたったでしょうか。この神在月に、念願の西村先生に会うことができました。思った通りと言うより、思っていた以上の方で、学級通信から学級経営、授業づくりに至るまで、感心することばかりでした。
 また、セミナーでは、そこに集う先生方がまたすばらしいのです。教育に対する熱意だけでなく、素直さを持つ若い先生方が多かったのです。講師の話をそのまま受け入れつつも、自分の中にうまく取り込んでいる様子が見られました。正に、講師と参加者が一体となって、学び合っているといった状態でした(写真 右)。
 私は多くのセミナーや研修会に参加してきましたが、米子の雰囲気は最高でした。西村先生を始めとする講師の先生方とともに、参加者からも元気と勇気をいただくことができました。

 今年、2012年の神在月は、忘れることのできない出会いをたくさんすることができました。本当に、同時に多くのみなさんに感謝です。
 こうした出会いの元になった、つれづれ日誌のご縁も、これからも大切にして、さらに広がることができたらよいと思っています。 

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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