2012.10.17
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すがすがしい朝を迎えるために。

カリタス小学校 教諭 長島 寛和

ロッカーの写真   

 皆様、初めまして。小学校教諭の長島寛和と申します。これからの連載期間、小学校の一日をおいながら、日頃考えていること、実践していることなど、つれづれなるままに連載していこうと思います。よろしくお願いいたします。

 私にとって、学校生活の中で一番気持ちよく送りたい時間、それは朝の時間です。

 早めに出勤をすると、子どもたちのいない朝の教室は、とても静かで集中力が高まる雰囲気を感じます。夕方の子どものいない時間とは全く違う空間と感じるのは私だけでしょうか。現在勤務している学校は、山羊や羊を校内で飼っているので、「メェェ」という声と牧場の香りと静かなときが流れていきます。

 このゆったりとした時間をどのように使うかで1日が変わってきます。皆様は子どもたちが登校してくる前、または前日の子どもが帰ったあとに行うルーティンはございますか? 新しい1日を子どもたちが迎えるため、様々な準備をされているのではないでしょうか。

 今回は、私が毎朝行っていることをご紹介したいと思います。

 私が朝行っていることは3つあります。理由とともに紹介します。

 一つ目が「窓を開けること」

 今の季節、窓を開けるとすがすがしい風が入ってきます。気温もちょうど良く、窓を開けたくなる気候です。しかし、私は、開ける幅はちがえど、今だけでなく、夏も、冬も、雨の日も、雪の日もおこないます。皆さんは授業の始めと終わりに礼をする場合が多いと思います。これはあいさつとともに、時間を区切るためだと思います。私の窓開けも、日を区切るために行う習慣となっています。前日あった良いこと、悪いこと、流れ続けた時間をぱっと区切る意味で窓を開けます。不思議と窓を開けると、子どもたちの登校後の集まる場所が変わるんです。友達の周りに集まりがちな子が、窓が開いていると開いている窓に集まります。そこには笑顔の花が咲きます。それを見ると、窓を開けることは空気の入れ換え以上に効果的な何かがあると信じざるを得ません。

 二つ目は黒板やホワイトボードに朝の連絡やひと言を書くことです。

 私は朝の会や帰りの会をさっと終わらせるタイプです。ですでの、時間割変更や朝の連絡、提出物なのどの指示は黒板への記載で行います。しかし、忙しい朝です。そんなにたくさん書いている時間が無いという場合もあります。そのような場合には前日の夕方に「お早うございます」から書き始めます。しかし、私は自分の子どもの保育園の送り迎えがあるため、夕方も時間が無いときがあります。そのために、たくさんの情報を素早く黒板に書くために、いろいろな決まったフレーズのマグネットを作ってあります。手書きする部分は「おはようございます」と急な予定の変更のみです。ほかの提出物の種類、提出する場所、集会の種類、体操着への着替えなどはマグネットを貼るのみです。子どもたちはそれを見れば1日の流れが分かり、朝の会で説明をしなくとも学校生活が送れます。これは1年生から行うことが可能です。大切なことは、登校したらすぐに黒板を見ることを習慣づけることです。

 三つ目は子どもたちの机の中、ロッカーの中、そして黒板のチョークを見ることです。教室の中で最も整理整頓がしづらいところ、それが子どもたちの机の中、ロッカーの中、そして黒板の受け皿ではないでしょうか。逆にそこが整頓されていれば、教室の中がすっきりして集中力をきらさない教室環境作りにつながります。よく、研究授業などを拝見すると、黒板の受け皿が粉まみれで、とっても短いチョークがごろごろ転がり、先生が受け皿を見渡してチョークを探すなんて場面が見られます。しかし、これは授業をする際の準備不足です。このような教室では、机、ロッカーだけでなく、黒板下の床、黒板周りの棚などがチョークの粉まみれになっています。最近、自分の子どものために学習机を買いました。すると、机面の周り3方が壁のように囲まれているのです。集中力をきらさないためにという配慮から開発されたそうです。教室も、子どもたちの集中力をきらさない、先生の余計な動きで時間をとらないような配慮は常に必要なのではと思い、机、ロッカー、黒板がルーティンとなっています。

 この3つが全ての要因ではないのですが、今まで受け持ったクラスは、子どもたちが変わっても教室内が乱雑になることはありませんでした。ゴミが落ちていることもなくなっていきます。さらには、提出物の出し忘れ、1日の流れにストップがかかるということが無くなっていきます。まさに、1日のためのすがすがしい朝のおかげです。

 皆さんも、子どもの学校生活のため、当面の手段のみならず、長い目で見た成長を促すために何かをルーティーンにしてみるのはいかがですか? 皆さんが学校生活の中で一番すがすがしい時間を見つけて、その時間に落ち着いて教室と子どもたちを見回してみると、何か新しい教室環境作りが思い浮かぶかもしれませんね。

長島 寛和(ながしま ひろかず)

カリタス小学校 教諭
公立小学校、大学附属小学校、私立小学校の3種の小学校を経験しました。それぞれの特徴を組み合わせた学校ができたらどんなにすてきな学校ができるかと、色々と思案しています。教師の勝負の場は「授業」と定め、学級経営と授業作りを愉しんでいます。

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