ゴールデンウィークがあっという間に終わりました。連休疲れもなかなか癒すことができず,5月病にもかかりやすいこの時期ですが,学級経営上「第二の学級開き」と言われるように,1年間の中でも,大変重要な時期が,今年もまたやって来ました。
6.学級通信で子ども達の紹介を!
さて,かなりの緊張感を持って臨んだ4月。子ども達は,精神的にも身体的にも負担が大きかったはずです。学級経営上のルールを再確認・徹底しつつも,そんな緊張した子ども達の心を少しほぐしながら,楽しく学校に足が向かうようにしていきたいものです。
そんなこの時期,私は,学級通信に「子ども達の紹介記事」をよく掲載します。主たるねらいは…,
(1)少しずつ分かってきた子ども達一人一人の特性を周囲(友だち・保護者)に広げる。
(2)これを機に,担任の児童理解をさらに進める。(見ようとしなければ,なかなか見れないからです…。)
(3)子ども達の自尊感情を高める。
(4)良好な友人関係や学級の雰囲気の向上の助けとする。
といったところでしょうか。
定着してくると,学級通信を配った瞬間に子ども達が熟読を始めます。ニコニコ笑いながら。「~さんちょっと来て。」と担任が言えば,「あっ,次は~さんの番だぞ。」と周囲の子が反応し始めます。インタビュー中にたくさんの友人が集まってきて,「先生,~さんはですねえ,(かくかく然々…)なんですよお。」などとその子の紹介を勝手にし始めるようになります。その間,とっても嬉しそうに友だちの言葉を聞いている~さん。
以下は,そんな過程で作った子ども達の紹介記事です。どうぞ。
実例12.「ちゃんこ鍋の具」「ONE PIECE」
※学級通信「ちゃんこ鍋通信」なので「ちゃんこ鍋の具」,学級通信「Jigsaw Puzzle」なので「ONE PIECE」として一人一人の子どもを紹介するコーナーです。
今回は,この~くん。
趣味は野球。
「どこのファン?」という担任の問いに,「阪神か巨人」という究極のどっちつかずの答えが…。
ちなみに,阪神ファンは阪神ファンでも,六甲おろしを知らない珍しい阪神ファンなのだとか…。
スポ少の野球部にも所属し,現在ライトとして活躍中!
「将来は阪神タイガース の赤★選手のような足の速い外野手を目指したい。」とは本人の弁。
「いやあ先生,~くんは逃げ足も速いっすよ。」とは友人~さんの弁。
現在,「自分に勝つ!」を座右の銘に,素晴らしい最高学年目指して爆走中!
金曜日の家庭訪問のナビゲートで,最後まで私の車に乗っていたという理由で,今回はこの~くん。(車の中でインタビュー)
好きなことは将棋とサッカー。
インドアとアウトドアを上手に使い分け,家庭訪問中の車内での様子【大騒ぎ(^^)】とは裏腹に,教室ではじっくりと物静かに考える慎重派。
と思いきや,休憩時間は,外で「天下」やサッカーに燃える活動派。
自称「冷静沈着」という彼の将来の夢はなんとサッカー選手になること!!
自宅への帰り際,『5年生では,「自分に勝つ!」でがんばります。』と,その熱~い思いを,あくまでも静かに語る…。
今回は,いつも楽しい反応やつぶやきで教室を温かいムードに包んでいるこの~くん。
彼の人柄を伝える材料はないものかと,突撃インタビュー!!
「~くん,趣味は?」(担任)
「趣味って何…??あっ,わかった。読書です。」(本人)
「おおっ,すごいねえ。」(担任)
「米子市立図書館に通っています。あ,やっぱやめた…。」(本人)
「最近がんばっていることは?」(担任)
「算数です。あっ,でもやばいかも…。」(本人)
「先生,~くんはイケメンですよ。」(周囲の子ども達)
「ちがうわ。ラーメンだわ!!」(本人)
「…。」(担任)
どうです?お茶の間が温かいムードになったのではないですか?

西村 健吾(にしむら けんご)
米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。
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