2012.08.17
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楽しみながら鍛える~授業中の指導言を愛あるものに~

大阪府公立小学校教諭 松森 靖行

みなさん、こんにちは。

夏休みも残念ながらあと少し・・・・。

お盆休みはゆっくりとされたでしょうか?

私たちも体をゆっくり休め、2学期に備えましょうね。

 

さて、今回は「楽しみながら鍛える」の授業中の指導言です。

そして、その言葉には「愛」を感じさせるものでないといけないというお話です。

 

具体例を1つ。

教室を並んで移動するとします。

その時に、どのような言葉をかけますか?

「並んで 静かに」だと思います。

でも、子どもたちは並んで静かにしません。

ワイワイ騒ぐ子もいます。

そこで、このような言葉を投げかけます。

「行列ありが忍者になってしまったように移動しよう」

子どもたちは思わず吹きだします。

高学年の場合は、「君たちが最高だなと思えるような移動の仕方をしてごらん」

と投げかけます。

これだけで、静かに移動を始めます。

そして、必ず教師は列の最後尾についていきます。

先頭の子には、「任せたよ」と任せてしまうのです。

教師は、列の後ろから見守ります。

教室を出る時に、子どもたちが1人ずつ教師の前を通るはずです。

そこで、1人1人の子をチェックしていきます。

そうすると、いい加減にしそうな子も分かってきます。

その子に少し注目をしておけばよいわけです。

 

その言葉には「愛」を感じるものでないといけないと前述しました。

では、どうしたら「愛」を感じるものになるのか。

 

実は一番難しいことなのです。

 

テクニックはありません。

 

教師の「責任感」「1人1人の子をおもう気持ち」だと思います。

のろけではありませんが、私の知り合いは、教員ではありません。

私が学校の話をしても、わけわからないという感じです。

でも、教員ではないからこその視点をたくさん教えてくれます。

 

「その言葉は、保護者が傷つくかもよ。」

「それは、わかりにくいなぁ。」

よく指摘をしてくれます。少々けんかになりそうな時も・・・。

でも、感謝をしています。

 

その知り合いが最近よく言う言葉が・・・

「先生に愛がない」

 

マスコミをにぎわしている事件や、周囲の先生を見るとよく思うそうです。

もちろん、私は愛があると太鼓判を押してくれましたが・・・。

 

知り合いは、先生をしていませんが、これって、たくさんの方が思われていることかなと思いました。

 

指導という名を語って

子どもに必要以上の苦痛を強いる指導をする。

 

そのような先生がたくさんいます。

 

今回のマスコミを騒がしている事件にしても、教師の「愛」の欠如だと思います。

 

子どもたちにこうなってもらいたい。

では、これを指導しよう。

この言葉では、わからないし、厳しいだろうから、こう言い換えてみよう。楽しくなるぞ!!

そう考えること自体が「愛」なのです。

そこまで、考えるべきなのです。

 

岡山県は、学力も全国で低位です。不登校も、校内暴力も低位です。

岡山県は今、奔走しています。

おそらく、いろいろ手をつくすことでしょう。

 

でも、何かの手をうつにしても、「愛」が必要なのです。

 

子どもたちを従わせておけば楽だから、厳しくしつけておこう。

そんなのは時代おくれもはなはだしいです。

 

 

「愛」って抽象的だから、よく分からない。

そんなことを言っている暇はありません。

 

とにかく、指導言を変えてみましょう。

 

「楽しく」できればいいのです。できたら、「ほめる」ことを忘れなければいいのです。

 

ちなみに、知り合いが教えてくれたことで・・・。

「あなたは、自分が『細かくない』と言っているけど、おそらく、一番『細かく』『要所要所を押さえている』教師だと思う。それが、子どもたちに嫌に聞こえないのは、伝え方に愛があるからだと思う」

こいつ、すごいな。・・・。尊敬し直しました。

 

今回は、抽象的過ぎるものですみませんでした。

次回は、指導言のパターンを紹介したいと思います。

松森 靖行(まつもり やすゆき)

大阪府公立小学校教諭
休日には全国の教員セミナーに講師・受講者として参加、仲間と切磋琢磨しています。2014年度は大阪府の教員となり、若手教員研修を担当。若手の皆さんと一緒に学び直しをしています。

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