2012.08.13
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学級通信で名言・至言の活用を!(活用術編)

米子市立福米東小学校 教諭 西村 健吾

 前回に引き続き「学級通信で名言・至言の活用を!」,今回は活用術編です。 

 

 学級通信の要所要所で,名言・至言の言葉の力を借りて子ども達や保護者に担任のメッセージを伝えることで,「角が立たず,鼻につかず,説得力を伴って指導方針などを伝えることができるのではないか」と前稿で述べました。 

 それでは,どのように名言・至言を収集し,どのようなことに留意して活用すればよいのでしょうか。以下はあくまでも私見です。参考までに…。

 

9-2.名言・至言の収集術

 
(1)いつもいろいろな書籍を読みあさる。
(2)著名人のホームページ等を定期的にチェックする。

 教育関係だけでなく,ビジネス書や雑誌の対談もの等,意識して目を通していると,結構良い言葉が載っているときがあります。「これは!」と思う名言・至言を見つけたら,コピーしたりメモしたりしておきます。そして,機を見計らって学級通信で引用します。 

 ただ,これらはストック型です。使いたい言葉を,使いたいときに,すぐに使うことができにくいというデメリットがあります。そこで,

 
  
(3)インターネットで検索をかける。

 緊急時のおすすめです。例えば,「名言 努力」で検索をかけると,

「小さいことを積み重ねることが,とんでもないところへ行くただひとつの道だと思っています。」(イチロー)

「千日の稽古を鍛とし,万日の稽古を練とす。」(宮本武蔵)

などと,著名人の名言・至言にすぐにたどり着くことができます。

 中には,

「努力した者が全て報われるとは限らん。 しかし,成功した者は皆すべからく努力しておる!!」(森川ジョージ著「はじめの一歩」より)

「明日からがんばるんじゃない。 今日をがんばり始めた者にのみ明日がくるんだよ!」(福本伸行著「賭博破戒録カイジ」より)

などと,有名な漫画の?登場人物の名言・至言にヒットすることがあります。(学級通信に載せる・載せないは別として…)

 

 また, 

「才能の差は小さいが,努力の差は大きい。継続の差はもっと大きい。」(不詳)

のように,誰が言ったのかはわからない言葉にもヒットします。(誰が言ったか分からない言葉でも,担任の一言よりも説得力があるのはなぜでしょう…??(+_;))

 

 さらに,例えば「羽生善治 名言」と,人物名で検索をかけると,

「才能とは,努力を継続できる力。」

「私は才能は一瞬のきらめきだと思っていた。しかし今は,10年とか20年,30年を同じ姿勢で,同じ情熱を傾けられることが才能だと思っている。」

「ビジネスや会社経営でも同じだろうが,一回でも実践してみると,頭の中だけで考えていたことの何倍もの『学び』がある。」

「誰でも最初は真似から始める。しかし,丸暗記しようとするのではなく,どうしてその人がその航路をたどったのか,どういう過程でそこにたどり着いたのか,その過程を理解することが大切だ。」

「追い詰められた場所にこそ,大きな飛躍があるのだ。」

などと,羽生善治氏の多くの名言にふれることができます。

 

 ?一流の人の言葉,人生観には学ぶべきことがたくさんあります。折を見て子ども達や保護者に紹介することで,教育的効果を得ることができるのではないかと思っています。(ちなみに,私がいつも人生観・勝負観などで参考にしている著名人は,羽生善治氏,イチロー氏,故スティーブ・ジョブズ氏,池田大作氏…等です。)

 

9-3.名言・至言の活用の際の留意点

 

(1)引用の域を超えない

 引用はあくまで引用。その域を超えてはならないのは言わずもがなです。そのために,誰が言った言葉なのかを明記することを忘れてはなりません。また,雑誌等から引用した言葉であれば,出典を載せておくことも大切でしょう。 

 

(2)多様は禁物

 いくら説得力があると言っても,濫用は禁物です。いつもいつも他人の言葉ばかり引用していては,説得力を失うどころか,かえって鼻につく場合もあると思うからです。教師が何かを伝えたい「ここぞ!」という場面で活用することが肝要です。

 

(3)名言・至言の真意と,教師の解釈・伝えたいこととのニュアンスの違いに注意

 「先を見て点をつなげることはできない,できるのは,過去をふり返って点をつなげることだけだ。」 

 これは,故スティーブ・ジョブズ氏の名言です。私は一度,この言葉を学期末の「ふり返り」の重要性を説くために引用しようとしたことがありました。この言葉だけを見たときに,ジョブズ氏が「人生,ふり返ることが重要である」と主張していると解釈したからです。しかし,実際には異なりました。その他のジョブズ氏の言葉を読み解くと,「ふり返ることが重要」ではなく,「ふり返ることをやめ,今をしっかりがんばることが重要」といったことが彼の真意であったのです。
 
 このように,名言に込められた真意を,その人物の考え方・物の見方まで把握した上で解釈し,教師が伝えたいことと合致するかどうか見極めた上で活用しないと,場合によってはこちらが伝えたいことと逆のことを示唆する言葉を迂闊に引用してしまうことになりかねません。
 
 
 
 夏休みということで,いつも以上に長々と読みづらい管見を並べてしまいました。…が,こうしたアクセント(調味料)をちょっと加えると,「引用」にも関わらずオリジナリティが生まれ,ありきたりな学級通信から少し脱却できるのではないかと思うのですが,いかがでしょうか…?。

西村 健吾(にしむら けんご)

米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。

同じテーマの執筆者
  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

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