2012.07.16
  • twitter
  • facebook
  • はてなブックマーク
  • 印刷

学期末にはこんな通信を!(夏休み前編)

米子市立福米東小学校 教諭 西村 健吾

kgaku1 kagaku2 suiei

 いよいよ学期末を迎えます。しかし,同じ学期末でも,夏休みを目前に控えた1学期末【3学期制の場合】は,なぜか心弾み,いつも以上に,学期末業務へのモチベーションが上がるものです。(多分…。)

 

3-6.節目にはこんな通信を(夏休み前編) 

  さて,そんな学期末の学級通信のキーワードは,以前ご紹介したように「ふり返り」です。私の教室通信では,冒頭の図のような「家庭学習時間の Before & After 」「水泳の記録の伸び Before & After 」といった記事を掲載し,子ども達の成長を可視化し,1学期のがんばりをふり返る契機となるようにしています。(後に「学級通信で情報開示を!(仮題)」としてご紹介する予定)

 

 一方,夏休み前のこの時期,もう一つ大切にしているキーワードがあります。それは「時間」です。子ども達がこれから迎える長い長い夏休みという「時間」。大人である我々もそうですが,だらだらとして過ごす「時間」は本当にあっという間に過ぎ去っていってしまいます。1学期の疲れを癒す「時間」であるだけでなく,2学期に向けて力を蓄える大切な「時間」とならなければなりません。

 しかし,「夏休みは時間を大切にして計画的に過ごすんだよ。」と教師が熱弁をふるったところで,なかなか高学年の子ども達の耳には届きません。そんなことは,既にこれまで,耳にタコができるくらい言われ続けてきているからです。単なる夏休み前の常套句となってしまっている子が多いと思われます。そこで,少し伝え方を工夫してみます。以下は,渋谷徹氏の実践を参考にして,私がいつも夏休み前に発行する通信です。

  

 

実例16.充実した時間を 

 明日から,いよいよ待ちに待った夏休みです。ご家庭でも,すでにどんな夏休みにするのか計画を立てておられることと思います。

 さて,この長い夏休み。子ども達には,自分のやりたいこと,やるべきことをしっかり決めて,計画に従って規則正しく生活してほしいと思います。また,暑い日が続きます。冷たい物の食べ過ぎ,衛生面など,食生活にも十分注意して過ごしてほしいと思います。

 8月27日(月)の始業式の日には,みんなの元気な顔が揃うことを楽しみにしています。保護者の皆様には,2学期以降も引き続き,温かいご支援・ご協力の程,よろしくお願いいたします。 

 

 

* * * * * *

 

 朝目覚める。すると,不思議なことに,あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっているのだ。そして,それがすべてあなたのものなのだ。これこそもっとも貴重な財産である。

 

 時間は実に不思議な貴重品である。そして,それ自体の不思議さもさることながら,その与えられ方も不思議といえば実に不思議である。

 

 考えてもごらんなさい。誰も時間をあなたから取り上げることはできないし,盗むこともできない。そして,あなたより多く与えられている者も少なく与えられている者もいないのだ。

 

(中略)

 

 その上,先の分まで引き出して前借りするなどということもできない。できるのは,過ぎ去っていく現在という時間を浪費することだけだ。

 

 明日の時間を浪費することはできない。それは,あなたのためにとっておかれている。

 

* * * * * * 

 

 「自分の時間」(アーノルド・ベネット著 三笠書房)という本の中の一節です。同じ本の中で,著者は「時は金なり」という諺(ことわざ)について,「この諺は事実を控えめに言ったまでで,実際には時は金などよりもはるかに貴重なものなのだ。」とも書いています。

  

 今年の夏休みは37日です。8月27日(月),2学期始業式までの貴重な一日一日を,子ども達には「時間」を意識して過ごしていってほしいと願っています。

 平等に与えられた37日という「時間」をどのように過ごしていくのか。決めるのは子ども達一人一人です。

 

 

 さて,よく保護者の方に誤解されていますが,我々教師にとっては実際のところ「休み」ではない夏休み…(当然ですが…)。研修また研修で逆に忙しかったりする夏休み…。されど,心も身体もとてもリフレッシュされる夏休みです。先生方,激動の1学期,お疲れ様でした。どうかよい夏休みをお過ごしください。

 1学期の激務の疲れを癒すと共に,飛躍の2学期に向けた研究と修養のために与えられた約40日という「時間」をどのように過ごしていくのか。決めるのは私たち教師一人一人です…ね。

西村 健吾(にしむら けんご)

米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。

同じテーマの執筆者
  • 川村幸久

    大阪市立堀江小学校 主幹教諭
    (大阪教育大学大学院 教育学研究科 保健体育 修士課程 2年)

  • 安井 望

    神奈川県公立小学校勤務

  • 山本 優佳里

    寝屋川市立小学校

ご意見・ご要望、お待ちしています!

この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)

pagetop