2012.07.13
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子どもからの微妙な「?」に学ぶ

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

 ある問いかけや投げかけをした時に、子どもたちから微妙な「?」が出ることはありませんか。

 たとえば、確認する意味で使う「わかりましたか。」という問いがあります。多くの子どもたちは、「はい。」と元気に答えるでしょう。
 その「はい。」が、本当にわかっていて自信のある「はい。」ならば問題はありません。しかし、条件反射的に「はい。」と言ってしまって、次の瞬間に「?」を出している子どもが複数いることが問題なのです。
 でも、誤解しないでくださいね。問題なのは、その子たちではなく、複数の子どもたちに「?」を出させるような教師のそれまでの指導なのです。

 ですから、私はいつも、問いかけや投げかけをした次の瞬間の子どもの表情と目の動きをチェックしています。

 先日、子どもたちから多くの「?」が出る瞬間がありました。その時のことを紹介します。

 6年生の理科で、一つの実験が終わりました。あるきっかけを元に、調べる目的を持って実験し、結果が出てノートに記録しました。ここまでは、手順通りに問題なくできました。ところが、
「結果が書けた人は、わかったことを書きましょう。」
と声をかけた瞬間、
「え~、わからない~。」
というつぶやきが聞こえてきたのです。
 課題が出されると、習慣で「わからない。」と言ってしまう子もいるので、今回のつぶやきは少数でもあり、多くの子は黙々と書いていたので、気にしませんでした。
 ところが、子どもが書いたノートを見ると、三分の一は結果と同じようなことを書いているのです。これを見て、実は心の中で「?」を出していた子どもが多かったことを見抜けなかったことを恥じました。
 実験の『結果』と『わかったこと』について、教える側(教師)も分かっているつもり(教えたつもり)になっていたことに気づきました。そこで、改めて説明し、ノートに忘れないように書いておくことにしました。

  『わかったこと』とは、『目的』に対する答えである。

ということです。
 合わせて、およその理科学習の流れを次のように確認しました。

 変だなと思ったことを解決することを『目的』として、調べたいことを整理し、『観察・実験方法』を決め、観察・実験した『結果』、その『目的』の調べたいことがわかった(場合によっては、「よくわからなかった」)というのが、『わかったこと』になる。最後に、観察・実験の『まとめ』を書いて終わりにする。

 ですから、『わかったこと』には、『目的』に対する「答え」を書くことになると説明しました。

 また、最後の「実験のまとめ」についても、子どもたちが自分でできるようにしたいと考えています。
 この『まとめ』というものは、一つの実験・観察の総括に当たると考え、次のようなまとめ方になるように指導しました。

  『まとめ』の基本的な書き方
  (1) Aというきっかけで、Bという目的を持ちました。
  (2) そこで、Cという観察・実験を行い、Dという結果が出ました。
  (3) このことから、Eということが分かりました。

 これからも、教師の思い込みや曖昧な指導をなくすために、常に、子どもたちからの微妙な「?」をチェックし、子どもたちから学んでいきたいと思っています。 

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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