「出会いは偶然,別れは必然。」
これまでも,多くの子ども達,保護者,同僚の先生方との別れがありました。ただ,その多くは送る側の立場でした。無論,その別れも寂しく,悲しい…。しかし,今年,9年ぶりに,学校を去る側の立場として迎える,大変寂しく,大変悲しい「別れの春」です。
3-4.節目にはこんな通信を(最終号編)
学級通信を「雨にもまけず・風にもまけず」(前後期制)と題して過ごした平成23年度がいよいよ終わりを告げようとしています。今回は,先週,本校の修了式・離任式当日に配った学級通信を,最終号の一例としてご紹介いたします。
前段は,第1号通信で解説した,タイトルに込めた思いや願いに立ち返りながら,この1年間の子ども達の成長のあゆみと次年度への展望・期待を。そして後段に,学校を去る側の立場として綴った惜別の言葉を添えました…。今年度の,そして,現任校での,最後の学級通信です。
実例9.雨上がりの空に…
どうしても虹が見たいというなら,
そのために雨は必須なんだね。
雨に,耐えて,空を見ようよ!
~ドリー・レベッカ・パートン(シンガーソングライター,米)~
平成24年3月23日。第5学年修了式の日。
今,みんなの頭上には,35色の大きな大きな「虹(=RAINBOW)」がかかっています。
その虹は,つらく苦しい雨の日を…,そして風の日を…,「自分に勝つ」強い心で立ち向かってきたからこそ現れた「努力の結晶」。「大変」なことを,自分を「大」きく「変」えるチャンスとして乗り越えてきたからこそ現れた「成長の証」。そして,35人が35色の個性を放ちながらも,調和を保ち,がっちりと固まっているからこそ架かる「団結の象徴」なのです。
だから,今はしっかりと空を見上げよう。この1年間の努力の営みを振り返ろう。成長の喜びに浸ろう。友情を確かめ合おう。そして,しっかりとエネルギーを蓄えよう。
最高学年になった君たちに再び訪れる風雨の日々は,心身ともに これまで以上の苦しさやつらさが伴うことでしょう。しかし,それは雨のように,みんなに平等に降ってくるもの。そして,いつかはきっとやむものです。どうか,最高学年として,米子市立伯仙小学校第41代の「顔」として,雨にもまけず,風にもまけず,困難に立ち向かっていってください。苦しい時こそ,足下を見つめ,一歩ずつ歩んでください。みんなで肩を組み,支え合い鍛え合いながら,健やかに健やかに伸びていってください。
そして…,平成25年3月19日,米子市立伯仙小学校第41回卒業証書授与式において,大きな大きな「雨の弓(=RAIN-BOW)」を,真っ青な大空に放ってください。
みんなの,一層の飛躍を期待しています。1年間,本当にありがとう。いつまでも元気で。ずっとずっとずっと元気で。
保護者の皆様
この度の人事異動で,米子市立福米東小学校へ転任することになりました。保護者の皆様には大変お世話になりました。至らない担任に,いつも温かいお声をかけていただきました。ご理解・ご支援をいただきました。この場を借りてお礼申し上げます。本当にありがとうござました。
末筆ながら,大切なお子様の一層の飛躍と,皆様のご多幸をお祈り申し上げまして,離任の挨拶と致します。いつまでも,いつまでもお元気で。さようなら。
平成24年3月 米子市立伯仙小学校
5年2組担任 西村 健吾

西村 健吾(にしむら けんご)
米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。
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