あれから1年
東日本大震災から1年が過ぎました。だれもがあの日のことを思い出したことでしょう。
6学年担任として、卒業生を送り出します。
卒業文集に次のような贈る言葉を載せました。
当たり前に感謝して
ご卒業おめでとうございます。健康で明るく伸び伸びとしていた六年生。修学旅行、運動会などの楽しい思い出を全員で作ることもできました。行事を重ねるごとにたくましくなっていくみなさんは本当に立派でした。
振り返ってみると、この一年は、「大震災」があった大変な年でした。私たちの町でも計画停電やガソリン不足があり、学校でも夏休み前まで体育館が使えないといった不便を経験しました。その結果、今まで当たり前だった便利な生活をだれもが考え直さなければならなくなりました。
私事ですが、九月の三連休に、宮城県気仙沼市の被災地でボランティア活動に参加しました。がれきを取り除く作業や仮設住宅回りなどを体験し、津波にすべてを流されてしまった街並みや、どこまでも続くがれきの山も見てきました。そして月曜日に再び小学校にもどり、朝の共遊の時間、みなさんが元気に校庭を走り回る姿を見たとき、涙があふれました。子どもたちが元気に遊んでいる。校舎に明かりが灯っている。ごく当たり前の日常生活に感動したのです。
みなさんが育ったこの地区は、豊かな自然にあふれ温かい人々が住むすばらしい場所です。当たり前に生活できるということはなんとありがたいことでしょう。私たちは「自然」に生かされている。私たちはたくさんの人々のおかげで生きられる。そのことを忘れずにそのことに感謝して、まずは自分を作り、そしてみんなで力を合わせだれもが幸せになれる未来を作っていってほしい、と思います。
みなさんと出会えたことに感謝します。どうぞお体を大切に。
ありがとうございました。
またお会いしましょう
この度、つれづれ日誌のお休みをいただくことになりました。レギューラーは離れますが、機会があればまた綴らせていただきたいと思います。これまで読んでいただいた方、本当にありがとうございました。またお会いしましょう。

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)
栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。
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