2月27日、子どもたちと保護者のみなさん、教職員が集まって、「卒業を祝う会」を体育館で行いました。
内容は、子どもたちの合奏や劇の出し物、保護者と教職員による出し物、小さい頃の写真を見ながら成長を確認し合うスライドショーなどでした。これまで担任してくださった先生たちも遠方から駆けつけてくれ、温かいお祝いの言葉をくださいました。
二時間弱という短い時間が、あっという間に流れていきました。
最初に、子どもたちが、音楽の時間に練習した、「展覧会の絵」より「キエフの大門」を合奏しました。限られた回数の練習しかできなかったにもかかわらず、とても上手に演奏することができました。
それから、保護者と教職員による合同の発表は、6年間の運動会で行ってきた表現の種目のすべてを振り返るというものでした。お母さんたちが、何度も練習をして、低学年の頃のかわいらしい踊りを踊ってくれました。教員の若手チームが組体操をやり、南中ソーランも披露しました。それぞれに練習を繰り返し、協力して演じてくださったことに、心から感謝しています。
最後に、「森は生きている;番外編」という劇をしました。これは、5年生の学習発表会で演じた「森は生きている」を、卒業バージョンに書き換えたものです。今年のお正月に、このミュージカルの作曲者である林光氏が亡くなられたので、心を込めて演じるように話しました。
物語の概要は、子どもたちが卒業をするために、森の精の力を借りて3人の担任たちの課題をクリアし、卒業を達成するというものです。私たち3人の担任からの課題は、インドネシアに伝わる「ケチャ」と、和太鼓、5拍子の曲を演奏するというものでした。
ケチャの4つのパターンを覚えさせ、つられないように歌わせることは難しかったのですが、息を合わせて頑張ることができたと思います。
5拍子の曲は、「MACSKACSKA」(マチカチカ)という舞曲です。リコーダーの三部演奏に、打楽器で5拍子を打たせました。これも、拍子の感覚を磨き、きれいな演奏をすることができました。
私たち担任は、子どもたちの表現力を身に着けさせようと、特に劇や群読などに取り組んできたので、小学校生活の最後に劇や音楽を体験させてやることができて、よかったと思います。
子どもたちの、感想をご紹介します。
「先生たちの南中ソーランはすごかったです。さすが先生と思いました。ぼくたちのために、一生懸命練習をしてくれて、ありがとうございました」
「祝う会では、いろんな出し物があり、久しぶりにお会いした先生とたくさん話すことができて、楽しかったです。協力してくださったお母さんや先生方に、感謝しています」
「スライドショーでは、みんなの幼い頃の写真を見て、盛り上がりました。
たくさんの人のおかげで、この会が開かれたことを知り、これから私も頑張っていかなくてはと思いました」
「先生やお父さん、お母さん、それからたくさんの人に支えられて生きてきましたが、これからは支えられるのではなく、自分が支えることができるような大きな人間にならなければいけないと思いました」
「劇の最後の歌で泣いていらっしゃるお母さんたちがいましたが、私の母は泣いていませんでした。だからこれから、宿題やお手伝いをしっかりして、『卒業式には、バッチリ感動させてやるぜ!』くらいの気持ちで、頑張っていきたいです」
学習指導要領が改訂される度に、授業時数を確保しようと、さまざまな行事が削減されてきましたが、このような楽しい会が残っていることで、すてきな思い出ができました。
卒業式まで、残すところわずかとなりました。一日一日を大事にして、精一杯の力を出し切っていってほしいと願っています。

荒畑 美貴子(あらはた みきこ)
特定非営利活動法人TISEC 理事
NPO法人を立ち上げ、若手教師の育成と、発達障害などを抱えている子どもたちの支援を行っています。http://www.tisec-yunagi.com
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
