2月に入り、6年生にとっての小学校生活が、残すところ30日余りとなりました。
今週は、中学校の入試も行われ、緊張と不安がクラスにも漂っていたように感じます。それが終われば、いよいよ卒業式まで一直線。まだまだ多くの行事を抱えていますが、力を合わせて乗り切っていきたいと思います。そして、たくさんの思い出とともに、胸を張って中学生に進学してほしいと願っています。
さて、思春期を迎えた子供たちは、大人に対して反抗的であったり、批判的であったりすることがあっても、友達とは平穏に生活しているように見えます。しかし、その友達関係が、非常に希薄なものであったり、取り繕ったりしているようにも感じるときがありました。
男女の仲は相変わらずで、わだかまりも解けません。協力するように話しても、目に見えない隔たりを感じているようで、お互いにとって好ましくない空気が流れることも気になっていました。
また、意地悪でちょっかいを出しているのか、悪ふざけで一緒に遊んでいるのかといった境界線が不明瞭なため、誰かが傷ついても無関心でいる子供たちの多いことも、懸念されました。
そこで、子供たちに、好ましい友達関係を築くために心がけていくべき点について、考えてもらうことにしました。その一部をご紹介します。
・あいさつや感謝の言葉をきちんと伝える。
・自分の言動に責任をもつ。
・相手をいやな気持ちにさせない。
・人の話をさえぎらない。話をしっかりと聞く。
・相手の気持ちを考えて行動する。
・思いやりをもつ。
・助け合って行動する。
・誰に対しても、分け隔てなく接する。
・自己中心的にはならないで、周りに気を配る。
このように、箇条書きで出された意見は、繰り返し指導してきたことなので、少しはわかってきたのかなと思いました。しかし、これ以外に、とても素敵な考えが出されたので、ご紹介します。
ひとつは、「誤解を招くような表現はしない」という意見です。本人たちは悪ふざけのつもりでも、いじめているのではないかと思われたり、まじめにやっているつもりでも、サボっているのではないかと見られたり。それは、本人にとっても、周囲の人間にとっても好ましいことではありません。「誤解を招かない」という具体的な目当てをもつことによって、自分自身を客観的に見つめることができるようになってほしいと思います。
もうひとつは、「すなおになる」という意見です。相手に対して飾らず、本音で向き合うということは、大人にとっても簡単なことではありません。でも、包み隠さない自分を、友達だけには見せることができれば、きっと深い友情を培っていけると思います。
1月7日の日経プラス1には、人間関係をよりよくするために重要と考えられていることについての、アンケート結果が掲載されていました。それによると、第一位は、「ありがとう」と「ごめんなさい」は必ず言う、第二位は、笑顔で明るくあいさつすることが挙げられていました。声を掛け合い、ときには立ち話をする関係を望んでいることが、浮き彫りになったのではないかと思います。
子供たちの意見や、この新聞記事を再確認し、自分自身の人間関係をもよりよくしていきたいと思っています。

荒畑 美貴子(あらはた みきこ)
特定非営利活動法人TISEC 理事
NPO法人を立ち上げ、若手教師の育成と、発達障害などを抱えている子どもたちの支援を行っています。http://www.tisec-yunagi.com
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