人間、思い通りにならないことがあると、ついつい文句を言いたくなる。で、それが続くと最後は「愚痴」になって、「自分で自分が嫌」になる。
ふだん、特に同僚などにはあまり文句や愚痴の類を言わない方だが、時に話が深まり、どうにも納まらない展開になってしまって、思わず言ってしまったりすることがある。でも結局、いつも言った自分が情けなくなる。
この歳になると、いろいろなことで腹を立てていても仕方なく思え、言わしたいヤツには言わしておけ、やりたいヤツにはやらしておけ的な、一歩退いた見方をするようになり、さほど感情的にはならない。
もちろん、だからといって「怒り」がないわけではなく、むしろ冷静であるが故にそれは鋭く、深く、より強くなり、どうすればそのおかしさを相手にわからせることができるかを、しっかり考えるようになる。
そうなると、いたずらに「言葉」を駆使しても無駄なことが見えてくる。
「言葉」はまず感情に訴えるもので、相手の感覚的なフィルターを通して理解される。いくら思いを込めて発したところで、相手が同じ思いで聞いてくれるとは限らない。むしろ、こちらの腹が立つような言動を取る相手に限って、この部分の誤解が大きく、より感情の溝を深めてしまうことの方が多い。
こんな時、最も効果的なのが「態度」で示すことだ。「言う」より先に「行動」する。これが一番だ。
多くを語らず、ただ淡々と正義を貫く・・・この姿勢こそが、最も相手に伝わる「反撃」なのだ。
安居 長敏(やすい ながとし)
滋賀学園中学高等学校 校長・学校法人滋賀学園 理事・法人本部事務局 総合企画部長
私立高校で20年間教員を務めた後、コミュニティFMを2局設立、同時にパソコンサポート事業を起業。再び学校現場に戻り、21世紀型教育のモデルとなる実践をダイナミックに推進中。
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