曜日の順序はどうやってきまったのか?
先週の土曜日から日曜日【12月10日~11日】にかけて、皆既月食が見られました。ご覧になった方も多いのではないでしょうか。私も午後10時ごろ家族にせかされて寒い庭に出てみると、いつもの月と違って見えました。うまく表現できないのですが、”欠けた部分が見える”というような感じで太陽に照らされていない部分までかすかに、うっすらと、その輪郭が見えました。大変素敵な月でした。
さて月と言えば曜日(ちょっと強引な展開ですみません)。前回の「つれづれ日誌」に書いた疑問、
「曜日の配列は、どうして『日・月・火・水・木・金・土』なのか」
図書館員さんにお世話になり4冊の資料が手に入りました。さあ、疑問を解決するぞ!
木火土金水(もっかどごんすい)
勢い込んで本を読み始めましたが、なかなか現在の配列の話にはたどり着きません。「七曜」というキーワードで探してみると幾つか手がかりになるものがありました。例えば、「陰陽五行思想」によれば、
- 木は火を生じ、
- 火は土を生じ、
- 土は金を生じ、
- 金は水を生じ、
- 水は気を生じる。
というもの。その順番を木火土金水(もっかどごんすい)というらしいです。江戸の七曜歴の中には、日月木火土金水の順だったものがあるようです。ただしあまり実用はされていなかったとのこと。
そこでまた別の資料にあたりました。中国最古の経典『書経・洪範編』によれば、「五行思想」は古代人の実生活に必要な五つの材からなり、
「水・火に始まり、木・金に及び、その基礎となる土に終わる。」何となく順序が近い。でもまだ違いますね。
【以上「現代こよみ読み解き事典」岡田芳朗・阿久根末忠編著(柏書房)より引用】
ついに分かった!曜日の配列は占星術から
うーん、中々見つからない!と思っていたら四冊目にして次のような記述に、ついにたどり着きました。
- 現行の七曜の日・月・火・水・木・金・土という順序は占星術から決められたもの。
- 七つの惑星を当時の人が考えていた、地球からの距離の遠い順に並べると、土星・木星・火星・太陽・金星・水星・月であった。
- それらはおのおの、連続する一時間ずつを順次支配するとされた。
- たとえばある日の第一時を土星とすると第二時は木星、第三時は火星、第四時は日・・・・そして第七時は月という具合。
- 第八時は再び土星、第九時が木星というように割り付けると、第一日の最後の方は第二十一時が月、第二十二時が土、第二十三時が木で第二十四時が火となり、翌日の第一時は日となる。
- このような配当をずっと続けて、第一日から順に第一時の星を取ると、土・日・月・・・・という現在の七曜の順序になる。
【以上「暦と日本人」内田正男著(雄山閣)より引用】
少々面倒ですが、表にして確かめてみると、なるほど第一日は、現在の曜日の並びになりました。やっと解決!図書館員さんありがとうございました。
曜日の配列を学校教育に生かすとしたら?
さて、ここまでいろいろ調べてきて、歴史的には曜日にいろいろな意味を持たせていることも分かりました。例えば、
- 木→春は木の芽が出る。
- 火→夏は烈火のごとく暑い。
- 金→秋は金属のように冷え冷えする。
- 水→冬は雪や氷に閉ざされる。
また方位との関係
- 東→木
- 南→火
- 西→金
- 北→水
- 中央→土
さらに江戸時代は「この日は万事よし」とか「万事凶」などの吉凶も割り当てられていたようです。
そこで私なりにアイデアが浮かびました。かなり突飛な考えですが、曜日の配列を学校で指導の際、我々の心構えとして生かせないかと。こんな具合です。
- 月曜日『月のようにまったりと』:週の初め。前日が休日だったこともあり、平日のリズム がなかなかつかめない。まずは「よく学校に出てきたね。」と登校を褒め、ゆっくりスタートしよう。
- 火曜日『火のように熱く語ろう 』:月曜日を乗り越えた翌日。生活習慣をしっかり取り戻そう。生活目標や約束事がしっかり守れるよう熱く語りかけよう。
- 水曜日『水のようにすいすいと』:平日リズムが整う水曜日。学習をどんどん進めよう。子どもたちをリズムよく指導しよう。
- 木曜日『木のような多様性に気付かせる』:週の真ん中。じっくり指導しよう。深く、広く充実した授業で感動を与えよう。
- 金曜日『子どもたちに金メダル』:がんばったね、また来週の月曜日に元気に会おうね、という気持ちを込めたくさん褒めて一週間を締めくくろう。
繰り返しますが、あくまでも心構えとしてのアイデアです。多忙な毎日、私のような未熟者はついつい指導が一辺倒になりがちです。子どもたちに多様な指導をする意味でこんなことを考えてみました。参考にならないかもしれませんが悪しからず。
ではまた!

鷺嶋 優一(さぎしま ゆういち)
栃木県河内郡上三川町立明治小学校 教諭
この春、勤務校が変わりました。異動したての新鮮な気持ちをダイレクトにつづりたいと思います。そして「ICTと幸せ」についても小学校教育の視点から考えます。
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