1-2.通信のタイトル(視覚編)
本稿では,通信の内容的側面というより視覚的側面から愚見を…。
※デジタルとアナログの融合
言うまでもなく,現代はデジタル隆盛の時代。我々教育現場にも,ここ十数年ほどで,デジタル化の波がどっと押し寄せました。今後も,好むと好まざるとに関わらず,ますますその流れは加速していくことでしょう。
しかし,学級通信はじめ,教室環境もどんどんデジタル化されていく中で,「ただ単に流れに身を任せているだけで良いのか…。」と思ったりするのは私だけでしょうか?デジタルにどっぷりと浸かっている今だからこそ「アナログ(手作り・手書き)」の良さを見直したいと,常々思っています。
ただ…,やはりそうは言っても,業務が多様化・多忙化している中,今更アナログに戻れないのも事実…。
だからこそのデジタルとアナログの融合です。
私の場合,近年,通信の顔となるタイトルを筆ペンで書いてスキャナで取り込み, そのまま貼り付けています。「デジタルな,見慣れたフォントがずらりと並ぶ中で,独創的でパッと目につくのでは?」と…。
一号ごとに,子ども達一人一人に書かせたタイトルをチェンジしていくという実践も多くの先生方がやっておられますよね。
十数年前は目新しく斬新であったデジタルな通信も,歳月と共に「慣れ(飽き)」てしまった今,さらに斬新な通信を作る手立てを模索(例えば通信作成用に新しいDTPソフトを購入するとか…)するよりも,一部アナログに戻した方が意外と近道なのではないかと勝手に思って実践しているところです。
(書店に並ぶ本・雑誌がとても参考になります。さすが,その道のプロはちがいます。ちゃんとデジタルの中にアナログをブレンドしておられます。絶妙な加減で…。)
余談ですが,教室環境にも同様のことが言えると思っています。
研究会などでおじゃました時にパッと目を引く教室,思わず入りたくなる教室は2種類あります。あくまで主観ですが…,
(1)「時代の最先端を走る,スーパーデジタルな教室」。そして…,
(2)「担任の先生や子ども達の手作り感,温かみが感じられるアナログな教室」です。
学級通信然り,教室前面掲示然り,季節の掲示然り,子ども達が製作した図工や家庭科の作品のタイトル掲示然り…,今後,いかに学校が「デジタル」に席巻されようとも,大切にしたい視点です。なにせ教師が模範を示すべき相手である子ども達の学習や活動自体,十数年前も今も,そしておそらくこれから先も、全く変わることなく,「アナログ」なのですから…。

西村 健吾(にしむら けんご)
米子市立福米東小学校 教諭
「豆腐のような通信を!(1.マメで 2.四角く 3.やわらかく 4.面白く)」をモットーに、学級経営に果たす通信の役割を見直し、日夜創意工夫に励んでいます。一つの実践提供になれば…。
同じテーマの執筆者
ご意見・ご要望、お待ちしています!
この記事に対する皆様のご意見、ご要望をお寄せください。今後の記事制作の参考にさせていただきます。(なお個別・個人的なご質問・ご相談等に関してはお受けいたしかねます。)
「教育エッセイ」の最新記事
