タイトルにもありますが、今年度も本校で教育実習生を迎えました。
田舎の学校ばかり回って来ましたので、実習生自体が僕にとって物珍しく、毎回10数名ずついらっしゃる学生さんの数には圧倒されます。
僕のクラスにも今年も1名の実習生が配属されました。特別支援学校での採用を目指されているとのこと。3週間という短い時間です。1週目は子どもたちを理解する為の時間に、2週目は徐々に指導場面を盛り込みながら、次週の研究授業に向けての構想と準備、3週目は研究授業とまとめにと言った具合でしょうか。初めはおっかなびっくり子どもたちに接していた様子から、少しずつ(お互いに)慣れも見られてきました。毎回、放課後に今日感じたことや質問を話してもらうのですが、日を重ねる毎にどう接するかから、どうすればもっと伝わるか理解してもらえるかなどに変わってきていることにも感心させられます。色々と説明をすることでこちらも日頃の考えを整理する機会をその都度得られていますので良い勉強になります。
そういう僕自身も教育実習を経て教員になったわけですので、青臭い思いを抱いて初めて現場に入った時のことは今でも鮮明に覚えています。
高校卒業後、ケーキ職人か特別支援学校の教員どちらかの道に進もうと迷い、結局大学へ。そもそも「学校の先生」があまり好きではなかった事と、まだバブルの残り香がする時代でしたので入学後も教職への道に進むことを迷っていました。そういう生半可な気持ちもあったためか、教育実習自体は僕にとって楽しい思い出はありませんでした。20年ほど前の事なのですが、厳しい叱責で生徒に教師の言うことを聞かせる的な指導も多く、僕としては「怖がらせて言うことを聞かせるのはどうなのか」とか「別にそこまで追いつめなくても」といった思いが態度に出ていたのだと思います。教官からは「あなたはちゃんと叱れない」と指導を受けました。とにかく見よう見まねでこちらの指示を聞かない生徒に対し怒りの感情を演じつつ叱責の言葉を浴びせましたが、怯えた顔で「せんせいなんでおこってんの?」と聞かれ膝の力が抜けるような感覚を覚えました。今から考えると伝わらない指示を出し、それが理解できないと言って子供のせいにする、「なんで?」はあたりまえの思いですし、良く言ってくれたなと本当に感謝しています。今いる所は言葉で思いを伝えることのできる子の少ない現場です。教育実習で僕はよい学びを得ることができました。
僕のクラスの実習生には、一人ひとりの得意不得意を伝え、上手に接したり指導できたところをフィードバックし、こうすれば良いのではというアイデアは提供しています。後は子どもたちと直接かかわって学びつつ、僕が子どもたちと接する様子を見て吸収できる部分は吸収し、反面教師とすべき事はしっかりと批判の目を持って学んでもらえるとうれしいですね。狭い世界です。いつか同僚として席を並べる日が来るかもしれません。残りの実習、頑張って!
青木 一真(あおき かずま)
北海道札幌養護学校 教諭
前任校では特別支援教育コーディネーターを3年間務めさせていただきました。昨年度、異動と共に久しぶりの学級担任に戻り右往左往。良い教育を迷いつつ模索する日々です。
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