2011.10.28
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学級の係で育てる

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

お楽しみ漫才 ローマ字の人文字 給食屋

 学級には係があります。定番の係としては、配り係や黒板係、電気係や窓係、お手伝い係といったものがあります。
 これまでは、何となく、去年もあったからとか便利だからといった理由で、係とその定員を決めてから、じゃんけんなどで子どもに割り当てるようにしてきました。しかし、こうした決め方では、希望通りの係になれた子はいいですが、じゃんけんで負けてなった係の子にはフォローが必要でした。そうした支援をしても、学期の中盤になると、マンネリ化して名前だけの係があるような状態になることもありました。

 そこで最近は、自分のやりたい係を宣言してなってもらうようにしています。つまり、学期の始めの係を決める時に、次のように言うのです。
「クラスのためにこんなことをやります、と宣言して係になってください。ただし、だいたい毎日できるもので、やる内容を具体的に言ってください。是非、お願いしたいと思えるようでしたら、その係をお願いします。でも、そんな言い方や内容では、不安でお願いしたくないと思ったら、断りますよ。」
ですから、「黒板をきれいにする黒板係をやります。」程度では任せません。子どもにとっては厳しいかもしれませんが、このようにして決めています。

 ところで、「係活動」とは、どのような活動なのでしょうか。学習指導要領解説の特別活動編には、次のように書いてあります。

(イ) 係活動
 係活動は,学級の児童が学級内の仕事を分担処理するために,自分たちで話し合って係の組織をつくり,全員でいくつかの係に分かれて自主的に行う活動であり,児童の力で学級生活を豊かにすることをねらいとしている。したがって,設置する係の種類や数は,学年や学級によって異なるので,児童が十分に創意工夫して計画し活動できるよう適切に指導することが望まれる。
 また、指導のめやすとして、低学年は「仲良く助け合い学級生活を楽しくする」、中学年「協力し合って楽しい学級生活をつくる」、高学年「信頼し支え合って楽しく豊かな学級や学校生活をつくる」ということも書いてあります。

 そういうことは、子どもたちの発想や工夫が生かされた自発的な活動であるとともに、互いに協力しながら楽しい学校生活となるような活動が、「係活動」でなければならないということです。つまり、給食当番や日直といった当番活動とは、一線を画すようにしなければならないと(今更)気付いたのです。

 そうした考えに基づいて、2学期の係も自分で決めてなってもらいました。当たり前ですが、「一つの係に一人」(つまり、「一人一係」)です。自分で、クラスのため・クラスを楽しくするための活動を考えて、具体的にやる内容と名称を決めてもらいました。
 それまでは、黒板係という名称だったのが、それぞれの子どもの考えで、「きれい係」「ピッカピッカ係」「きれいな黒ばん係」「明るく係」として活動しています。先生のお手伝いをするお手伝い係は、「先生サポート係」「ヒーロー係」「毎日サイコー!係」という子ども自身が主体である名前で活動しています。
 ちょっと変わった係では、「おわらい係」「ばくしょう(爆笑)係」というのがあります。子どもが言うには、表情の暗い子がいたら笑わせる、クラスを楽しくするために漫才をする(写真 左)、楽しく勉強ができるようにロールプレイやパントマイム(写真 中)をする、旅行やレクの時に司会や出し物をする、という係です。朝の会や学習のポイントを楽しく覚える時に、大いに役立っています。また、バス旅行の時は、ガイドさんの代わりに大活躍でした。
 また、珍しい係として、「給食屋」(写真 右)というのがあります。これは、給食が残らないように、残った食缶を持って、友だちに訪問販売(もちろん、ただですが)するものです。「いらっしゃい、いらっしゃい、炊き立てのご飯はいかがですかぁ。」「とれたての新鮮野菜のサラダはいかがですかぁ。」などと言って回ります。おかげで、残飯が減ってきています。

 こうした係活動により、一部の係から波及効果で、他の係も活性化していています。さらに、決めた係に関係なく、担当がいなければ自分がやるといった文化が育ってきています。
 毎日、子どもたちがどこまでやれるか、どこまで自分で自分を伸ばせるか、楽しみです。

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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