先日、長男の日曜参観に行ってきました。親の立場で小学校の授業を見る初めての体験でもあり、大変楽しみに小学校へ向かいました。外に出て白い息と街路樹の上の葉が色づき初めていることに気付き、青空の上の巻き雲、そして暖房の煙が少し香る冷たい空気。しっかりと秋を感じる事ができました。
息子の小学校での日曜参観は今年度初めてと言うことなので混雑も予想していきましたが、授業開始時にも後ろは5~6名程。30数名という学級の人数の割には少なく感じましたが次第に後ろが参観者で埋まっていきました。
小学校1年生は今年度から35名定員。80名~41名で2学級になっていた学年が70~36名で2学級できるという計算になります。長男の学年は30数名ずつで2学級ですので制度の変更は影響なかった事になります。40人近くいる学級よりも郡部にあるような少人数の学級の方がやはり一人一人に目が行き届く感はあります。特別支援教育に関しては、余裕のある分、細やかな個別計画に時間を掛けたり、個のニーズに合った指導や教材を取り入れたりすることもできます(ただ、この点に関しては個人や組織によっての温度差があるのが実情と思いますが)。
ただ、少人数でのデメリットがある場合もあります。例えば1学級のみで6年間(場合によってはさらに3年間)持ち上がる場合、一度子ども同士の人間関係がこじれてしまった場合なかなかそこを解きほぐすことが難しいような状況です。特に対人関係に課題を抱えたお子さんの場合、うまくいかなさを就学前から持ち越して過ごしていくこともあります。本人には早期からスキルと居場所と自信を持てるよう丁寧に指導をすすめる事が必要です。「あの子だけ」の声は「自分も見て欲しい」という隠れた声もありますのでクラス一人一人を見つめてあげることも大切ですよね。もちろん、この点はどのようなところに就学しようと同じ部分ではありますが。
出自が確かでなく申し訳ないのですが、数年前に僻地教育に関する研究の中で特別支援教育に対する都市部との意識の違いをアンケートで集計した結果の話を聞いたことがあります。教員対象のアンケートで定員満度に近い学級運営をしている教師と少人数の学級運営をしている教師とでは「教師の困り感」に大きく差があると言う結果だったと言うことを記憶しています。みなさんご存じのように先日のニュースで国の動きとしては次年度は2年生まで35人学級を拡大するように検討をしている旨が載っていました。将来的には6年生までに広げるよう構想があるようですね。限られた予算で多様な課題に対処しなければいけませんので実現することなのかは僕には解りませんが、子どもたちにとって少しでも良い環境が出来るのであれば嬉しいことです。
さて、我が子の授業参観です。担任の先生はカメラで図工の細かな工程の手元を大型テレビで映し出す方法を取って授業をしていられました。いつも授業でやっていらっしゃるちょっとした工夫かもしれませんが、少しでも解りやすくという思いが伝わりました。また、我が子も含め一気に押し寄せる「先生見て見て!」の声や行動にできうる限り答えようとしていた姿に頭が下がる思いでした。参観の後は今年度2回目の学校説明会がありましたが所用で欠席させて頂きました。説明会も同じ内容ではなく、その都度その時期の学校の取組の説明があるとのこと。公立ながら組織として学校運営上の工夫が行われているものと感心しました。
しかし、親としては我が子の一挙手一投足に期待の目を向け、ハラハラしてみたり、喜んでみたり、まあ自分の子だからと自分を慰めてみたり。やはりその立場の思いはそこに立たないとわからないものですね。
さて、10月です。今年度も半分が過ぎました。この場でいろいろと書かせて頂きましたが、言葉は自分に還ってきます。少しでも良い指導ができるよう頑張らねば。
青木 一真(あおき かずま)
北海道札幌養護学校 教諭
前任校では特別支援教育コーディネーターを3年間務めさせていただきました。昨年度、異動と共に久しぶりの学級担任に戻り右往左往。良い教育を迷いつつ模索する日々です。
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