2011.10.14
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秋の昆虫探検

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭 大谷 雅昭

頭にバッタ 昆虫採集 クイズラリー

 3年生の校外学習として、「ぐんま昆虫の森」へ行ってきました。

 「ぐんま昆虫の森」は、2005年8月1日に開園した群馬県の県有施設です。そのコンセプトは、「感動は人を育てる。」という発想から、「身近な自然(里山)の中で生きものを見つけ、その体験を通して生命の大切さに気づき、豊かな感性を育むための役割を果たす。」というものです。約48haの土地(東京ドーム約14個分)には、冨士山沼ゾーン・雑木林ゾーン・桑畑ゾーン・水田ゾーンの4つのゾーンを配し、雑木林・草原・棚田・小川や池があり、里山の条件が整えられています。そこでは、できるだけ自然環境に近い状態で多種にわたる昆虫が飼育されています。
 また、昆虫観察館では、自然観察プログラム・里山生活体験プログラム・館内体験プログラムが用意され、別館では図鑑や学会誌などが多く貯蔵されているフォローアップ学習コーナーやかやぶき民家がフィールド上にあり、様々な体験学習ができるようになっています。

 今回の校外学習は、理科で学習した「昆虫に対する理解を深める」ことがねらいとして行われました。この表のねらいに対して、「チーム学習の成果を発揮する」という裏のねらいがありました。
 当日のプログラムは、「昆虫採集と観察」「昆虫クイズラリー」「昆虫観察館内自由見学」の三本立てでしたが、すべてグループ活動なのです。ですから、表のねらいとともに、裏のねらいをもつことで、この半年の成長を確認したいと考えました。

 さて、当日は秋の昆虫観察には絶好の秋晴れとなりました。最初のプログラムの「昆虫採集と観察」では、まず、昆虫の森の観察指導員さんから昆虫の見つけ方と観察の仕方を教えてもらいました。その後、4人チームで虫取り網と昆虫観察容器を持って観察を始めました。特に、バッタ類は素手で捕まえてみようというアドバイスをしてもらったことで、子どもたちは喜んでバッタの手づかみに挑戦していました。自然の中では、こんなにバッタがいるのかというぐらいで、バッタが頭にとまる風景(写真 左)にみんなで感動していました。
 また、時期的にトンボ類も多く見られました。少しずつ虫取り網の使い方が上手になった子どもたちは、トンボを捕獲する楽しみと観察する(特に、顔)おもしろさを味わうことができました(写真 中)。学校の近くではなかなかできない貴重な体験をすることができました。

 午後は、広い昆虫の森で5つのチェックポイントを回る「昆虫クイズラリー」を行いました。地図を見ながらルートとチェックポイントの位置を確認し、そこでクイズを考えながらゴールを目ざします。ただし、早さを競うものではないので、チェックポイントからチェックポイントまでの過程で、「何か」を発見するように指示しました。子どもたちは新発見を求めて、チームで協力して活動を開始しました(写真 右)。順調でないチームもありましたが、たくさんの発見をしながらゴールに到着することができました。みんな、いい顔をしていました。

 最後は、総まとめとして、昆虫観察館内の展示物や生態温室を見学して帰ってきました。

 この体験は、3年理科の学習とともに、生物への理解や友だちとの関わりなどを改めて確認する機会となったと思っています。
 また、表と裏のねらいを十分に達成できたと思っています。昆虫探検をするとともに、自身の心の探検をして、よい発見をたくさんできたと思っています。

 この日の子どもたちの様子を見ていて、私の愛読書の一つ、レーチェル・カーソンの『センス・オブ・ワンダー』の一文を思い出しました。それは、
 「子どもたちの世界は、いつも生き生きとして新鮮で美しく、驚きと感激にみちあふれています。(中略)わたしは、子どもにとっても、どのように子どもを教育すべきか頭をなやませている親にとっても、『知る』ことは『感じる』ことの半分も重要ではないと固く信じています。」
です。

 この一文は、知っていたつもりですが、改めて、実感させられた一日となりました。
 

大谷 雅昭(おおたに まさあき)

群馬県藤岡市立鬼石小学校 教諭
子どもと子どもたち、つまり個と集団を相乗効果で育てる独自の「まるごと教育」を進化させると共に、「教育の高速化運動」を推進しています。子ども自身が成長を実感し、自ら伸びていく様子もつれづれに綴っていきます。

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